社会

出生率減少で深刻化する沖縄の「墓問題」長男が継承する習わしが崩壊して…

 2023年の日本人の出生数は、前年に比べて4万人以上少ない72.6万人となる見通しで、減少率は5.8%となった。「合計特殊出生率」が最も高かった都道府県は沖縄県の1.70だが、それでも自然減。今、沖縄でも少子化は進行しており、それに伴う「墓問題」が深刻化している。

 沖縄の墓はサイズが大きく、古来より父方の血を引く長男が引き継ぐ習わしとなっている。そのため、長男はたとえ進学や仕事で県外へと出ても、最終的には沖縄に戻ってきて家と墓を継ぐのが一般的だ。しかし最近は多様性の時代になりつつあり、この習わしが薄れつつあるというのだ。沖縄出身で長男という男性に話を聞くと、

「沖縄では『命どぅ宝』という言葉があるように、『命こそ宝』と言われています。同時に子は親の所有物という考え方があり、これはその昔、借金と引き換えに子供を年季奉公する風習があったから。自分も小さい頃から『墓は長男が継ぐもの』と言われて育ちました。ところが最近はSNSなどで多様性が叫ばれるようになり、これまで沖縄の中の常識しか知らなかったのが『好きなように生きてもいいのでは』と思うようになりました」

 この男性は現在30代だが、結婚願望は全くないという。ひと昔前であれば、沖縄では30代の独身者は変な目で見られていたというが、最近は結婚願望を持たない若者が増えている。さらに少子化を後押しする要因に「LGBTの増加があるのでは」と指摘する声も。那覇市の飲食店に勤務する「G」の男性が言う。

「沖縄では10年ほど前からLGBTが急増していて、イベントなども頻繁に開催されています。本州から『地元ではカミングアウトできないから』と沖縄に移住してくるLGBTの人も多いです。ただ、沖縄ではLGBTコミュニティーが狭いため、地元の人は県外に出たり外国人と付き合うケースがほとんど。そうなるとますます、地元で結婚したり子供を作る人が減っていくんでしょうね」

 沖縄の街中を歩いていると、至る場所で墓が見られる。しかし、こうした継承問題が深刻化するにつれ、持ち主のいない墓は撤去されてしまう。沖縄の墓は時代の移り変わりとともに、変化していくのだろう。

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