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記事全文を読む→反プーチン主導者ナワリヌイ氏〝獄中死〟でわかったおそるべきロシアの暗殺史
「ウラジーミル・プーチンが夫を殺した」─2月16日、ロシア当局は北極圏の刑務所内で反政府運動主導者アレクセイ・ナワリヌイ氏(享年47)の死亡を発表。その3日後、妻・ユリア氏はロシア大統領を名指しで非難した。しかし、プーチン政権下では歯向かう者はみな非業の死を遂げるドス黒い暗殺事件が繰り返されてきた。
外報部デスクが解説する。
「今のところ死因は発表されていないが、ナワリヌイ氏は毒殺された可能性が高い。当局は『検査に14日かかる』と刑務所に訪れた母親の引き取りを拒否している。実際、亡くなった当日深夜、刑務所から遺体は搬送されたもようで、神経剤などを投与された可能性がある。遺体から痕跡が消えるまでの時間稼ぎをしている可能性が高い」
ナワリヌイ氏は一貫してプーチン政権の批判を続け、18年には大統領選挙に出馬を目指したが、認められることはなかった。
「その後、ナワリヌイ氏は20年に航空機で移動中に急激に体調不良を訴え、病院に搬送された。後に緊急搬送されたドイツの病院でロシアが開発したVXガスの5~8倍の致死率を持つ神経剤ノビチョクが検出された。奇跡的に一命を取り止めたが、22年2月のウクライナ侵攻を批判するなどしたことで、詐欺罪・横領罪などで有罪となり、禁錮9年の刑となった。獄中では『ボタンが外れていた』などの軽微な理由で何度も懲罰房に入れられる拷問を科せられた」(前出・外報部デスク)
おそるべしプーチン大統領(71)。この長期政権の背後には同様に葬り去られた屍が累々と築かれている。記憶に新しいところではプーチンの料理番と呼ばれた民間軍事組織ワグネル創始者・プリゴジン氏だ。軍事ジャーナリストが打ち明ける。
「昨年6月、戦況が追い詰められたことにより、ロシア軍幹部を罵りモスクワへ進軍させる〝プリゴジンの乱〟を起こしたが、その2カ月後、プライベートジェット機が飛行中に爆発し、木っ端微塵にされた。特にウクライナ侵攻以降は、『オルガリヒ』と呼ばれる政商富豪の不審な転落死、一家刺殺など怪死が相次いでいるのです」
粛清の手段は、13年に政商ベレゾフキーは風呂場で首吊り、15年に野党党首ネムツォフ氏は射殺など様々だが、ソ連時代から脈々と続いてきた暗殺手段の最たるものが毒殺だ。
「中でも最もおそろしいのが核物質を使った殺害方法です。06年、FSB(ロシア連邦保安庁)の元中佐・リトビネンコ氏に亡命先の英国で放射性物質『ポロニウム210』が使用された。リトビネンコ氏は搬送先の病院で3週後に亡くなったのですが、髪の毛がすべて抜け落ち、やつれ果てた姿はあまりに衝撃的でした。この物質は原子炉からしか取り出すことができないため、事件の背後には国家の存在があった証左となる。こうして軍や政府が関与したと思われる証拠を残すことで、裏切り者には惨たらしい結果が待っているという見せしめにするわけです」(前出・ジャーナリスト)
99年、モスクワ市内でアパートが連続して爆破され、300人以上の犠牲者を出す爆破テロが発生。当局はチェチェン人によるテロと発表したが、実際にはFSBによる謀略だったと言われている。当時FSB長官のポストに就いていたプーチンはこの隠蔽に成功し、エリツィンに次ぐ2代目大統領への階段を駆け上がったという。
欧米各国は「プーチン政権の責任」と追加制裁を検討する構えだが、日本では林芳正官房長官が「重大な関心を持って状況を注視する」とのみ発表している。
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