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「アサ芸ギャンブル部」〈【地方競馬&競輪】60歳から始める「公営ギャンブル」事始め〉(1)

 何も一攫千金を狙うことだけがギャンブルの醍醐味ではない。わずか100円でも感動と興奮の体験を得られ、時には昭和レトロな食堂でB級グルメに舌鼓を打つ―。先月「はじめて行く公営ギャンブル」を上梓した藤木TDC氏が、中高年のギャンブル初心者向けに、各競技の楽しみ方を伝授する。

 公営ギャンブル(公営競技)は地方競馬・競輪・ボートレース(競艇)・オートレースの4種をいいます。地方自治体やその関連組合が主催するので「公営」の冠がつきます。

 毎週末行われている中央競馬は主催するJRA(日本中央競馬会)が特殊法人で「公営」ではありません。ただし現金の払い戻しがある投票券の発売が法律で認められている意味で、両者共に「ギャンブル」と認識されています。

 公営ギャンブル場は4種合わせると全国に87カ所もあり、その分布は北海道から九州まで、ほぼ全国に及びます。なのに身近に公営ギャンブル場があっても、行ったことのない人も多いのではないでしょうか。

 遊び方を心得ると公営ギャンブルはなかなか楽しいものです。知力を使うし、施設にもレトロで懐かしい雰囲気が残っていて、大人が居心地が良い場所です。

 また馬券・車券・舟券と呼ばれる投票券は1枚100円から買えて、チビチビ遊んでいればお金もそれほどかかりません。大人がちょっとヒマができた時、小遣いで遊ぶのにちょうどいいレジャーとしてオススメします。

【地方競馬とは】

 地方競馬場は北は北海道から南は四国の高知まで全国に15カ所あります。うち一つは北海道・帯広にある「ばんえい競馬」という特殊なソリ引き競馬ですが、他は平地の楕円コースを走る平地競馬です。

 中央競馬と地方競馬の大きな違いは、中央競馬は芝コースの競走がメインですが、地方競馬はほぼすべてダート(砂)コースを走ることです。盛岡競馬場には地方競馬で唯一、芝コースがあります。

 また地方競馬の馬場は一周1200~1600メートルと中央競馬の芝コースと比べると圧倒的に小さいところが多く、それがレースの結果に影響します。

 小回りのダートコースは晴天の良馬場では競走馬の蹄が砂に深く潜り込んで、スタミナのある大型馬が有利になり、雨で重馬場になると、スピードのある馬に有利です。

 ゴール前の直線が短いので、先行馬が勝つ場合が多いのも特徴です。

 地方競馬は重賞などをのぞいて、各競馬場に属する厩舎の馬だけで番組を組むのが基本です(近隣競馬場からの遠征馬も若干出走します)。

 よって関わる人数の少ないムラ社会の中で競馬が行われるため、厩舎や騎手、競走馬の実力差がはっきりしています。

 ところが実際のレースでは本命の馬が勝てず、大穴が出ることもよくあります。それが地方競馬のわかりにくさで、中央競馬ファンを戸惑わせる要因です。

 そうした現象の起きる理由について、本番レース自体が調教の一部になっているせいだと説明する人もいます。逆に、そのわかりにくさを納得できれば地方競馬は面白くなります。

 自分の理論で予想せず、競馬場の場立ちの予想屋さんに乗ってみるのもひとつの楽しみ方でしょう。

 北海道の門別、岐阜の笠松、兵庫の姫路、四国の高知など、地方にある小さな競馬場はまさに「草競馬」の趣で、そこに行くと旅情緒もひとしおです。

 また帯広の「ばんえい競馬」は平地競走とまったく別物の農耕馬による競馬で、別次元の面白さがあります。

 そうした場所を旅してギャンブルをし、酒を飲むのは大人のレジャーとしてとても贅沢です。

 昔の作品ですが、山口瞳の「草競馬流浪記」(新潮文庫)という本があり、地方競馬の楽しみ方を絶妙に教えてくれます。本を手に「旅打ち」に出てみるときっと楽しいはずです。

文・藤木TDC:「はじめて行く公営ギャンブル」(ちくま新書)ではギャンブル場への行き方も詳しく解説

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