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【激戦サッカー】パリ五輪後のA代表入りで台頭する「2人の突出選手」の能力

 パリ五輪サッカー本番の登録18名のメンバー入りに向けて、激しい競争が始まった。

 ヨーロッパでプレーする海外組は、5月中旬にシーズンが終了するリーグもあり、新たにアピールする時間はそれほどない。しかし、Jリーグでプレーする国内組は、代表メンバー発表までアピールする時間はある。

 現にJリーグ第15節では、DF木村誠二(サガン鳥栖)がチームの完封勝利に貢献。ボランチで出場した松木玖生(FC東京)は、コーナーキックからこぼれてきたボールをダイレクトボレーで、スーパーゴールを決めた。FW細谷真大(柏レイソル)も前線からプレスでボールを奪い、相手GKの一発退場を誘発。チームに流れを呼び込んだ。

 彼らの直近の目標は、パリ五輪メンバーに選出され、1968年のメキシコ大会(銅メダル)以来のメダルを獲得することだ。だが、選手個人としての目標は「パリ五輪経由、北中米W杯行き」でなければならない。つまりパリ五輪後には、A代表入りを目指すことになる。

 Jリーグでプレーするパリ五輪世代の中で、期待されるのは松木と細谷。松木は昨年のU-20W杯にも出場した21歳。青森山田高校1年生の時から注目されて、FC東京入団1年目からレギュラーの座を確保し、ボランチやインサイドセンターでプレー。今シーズンはチームのキャプテンにも就任している。

 いちばんの武器は、フィジカルだ。パリ五輪アジア最終予選では、中東勢や韓国の選手と競っても負けることはなかった。フィジカルで負けなければ、バンランスを崩すことなくシュートやパスを出せる。さらに運動量も豊富で、初戦の中国戦は10人で戦わなければならなかったが、彼の献身的な守備がチームを救ったといってもいい。スピードもあり、それは走る速さではなく、寄せる速さであったり、判断の速さだったり。

 そうした現代サッカーに必要なスキルは、全て持っている。A代表の中盤でフィジカル勝負しているのは、キャプテンの遠藤航ぐらい。他の選手は足下のテクニックで勝負するケースが多い。そんな中でフィジカル勝負できる松木は、貴重な存在になるはずだ。

 細谷はすでにA代表でデビューし、ゴールも決めているが、まだ自分の良さを発揮できていない。

 昨季、Jリーグで14ゴールを決め、一躍注目を浴びたストライカー。U-23日本代表のエースストライカーであり、柏レイソルのエースストライカーでもある。持ち味はスピード。一瞬で裏に抜け出す瞬発力があり、フィジカルも強いから、前を向けば相手DFと競っても強引に突破できる馬力がある。

 A代表のワントップは森保ジャパンの唯一の課題であり、いまだに固定されていない。それだけに、細谷にも十分チャンスがある。

 現在のA代表はほとんどが、海外組で占められている。先発候補、主力選手ともなれば、全員が海外組で占められていると言っても過言ではない。

 松木も細谷も今夏、海外移籍の噂がある。松木にはヘーレンフェイン(オランダ)、細谷にはボルシアMG(ドイツ)やサンダーランド(イングランド2部)が興味を持っているといわれる。ヨーロッパ移籍が実現すれば、A代表の海外組と同じ土俵に上がることになる。そこでどんな結果を出せるか。パリ五輪後、A代表での争いが見ものだ。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップ・アジア予選、アジアカップなど、数多くの大会を取材してきた。

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