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意外にも、大谷の打撃スタイルに近いのは虎の最強助っ人だった。角氏が現役時代を振り返る。
「私が対戦した中では、元阪神のバース(70)と特徴が似ていると思います。アウトローに投げたボールで抑えたと思いきや、サンドウェッジさながらにポーンと打ち上げてレフトスタンドまで運んでしまう‥‥。当時の甲子園にはラッキーゾーンがあっただけに、ヒットなら上出来だった記憶があります。大谷も長いリーチを生かしてレフト方向に強い打球を打ちますよね。〝走攻投〟三拍子そろったバースの強化版でしょう」
名伯楽にして、戦後初の三冠王を戴冠した、野村克也は配球を読むことで技術不足を補っていたという。
「まさにアナリストのはしりと言えます。投げてくる球とコースを予測してフルスイングするわけです。当時の強打者はわざわざ配球を読むようなことをしていなかっただけに、珍しい試みでした。配球の重要度は、今季の巨人を見れば一目瞭然です。リードに課題のある大城卓三(31)を外し、小林誠司(34)と岸田行倫(27)の併用にしたらディフェンスが安定しましたよね? 大谷もiPadで対戦相手のデータを逐一チェックしている。1人の投手との対戦回数が限られるMLBではよりデータが大事になるんです」(角氏)
古き良き教えもまだ令和に必要なのだ。
一方、令和の三冠王はまだまだ発展途上。理想のフォームを求めてもがいているようだ。
「ヤクルトの村上宗隆(24)は打球を飛ばそうとムキになっているように見受けられます。WBCで大谷の飛距離と打球速度を見て、ショックを受けたみたいですが、果たして今以上に打球の質を高める必要があるのか疑問です。3度の三冠王を達成した落合博満さん(70)も『フェンスを越えればいいんだ』とよく話していましたが、野球はバスケットボールみたいにスリーポイントがあるわけでもない。飛距離150メートルを1本打つよりも100メートルを2本打つ練習をした方が実用的でしょう」(角氏)
松永氏も村上のフォームの変化に疑問を呈する1人だ。
「インパクトギリギリまで投手に胸を見せないという意識が強すぎる。セオリー通りに体の開きを制御したいのでしょうが、始動が遅れて差し込まれる場面が増えました。進化を求めるあまり、迷路に迷い込んだイメージです」
結論を言おう。衆目が一致するように昭和、平成、令和にかけて至高のホームランアーチストなのは大谷をおいて他にない。
「そもそも、NPBを比較対象にするのに無理があります。日本のプロ野球選手が中学生に見えてしまうぐらいスケールが違うんです。清原和博(56)、秋山幸二さん(62)、デストラーデ(62)でさえも、大谷と比べると中距離打者のカテゴリーになってしまいますからね」(大久保氏)
レジェンドを超えた大谷は、これからも伝説を作り続けていくのだろう。
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