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まずは、4月22日に大谷に抜かれるまでMLBの日本選手本塁打記録を持っていた松井秀喜(49)にズームイン。野球評論家の松永浩美氏が解説する。
「自然体の構えから、腰の鋭い回転を利用して打球を飛ばすフォームでした。昭和の野球界で正解とされていた『上からボールを叩け』、『肩を落とすな』を基本線に、長嶋茂雄さんとマンツーマンで作り上げました。当時は〝理想のフォーム〟だったのでしょう。ところが、あのバットのフォロースルーで(どんな投球に対しても)両手を離さない動作を再現しようとすると、今では非常に窮屈に思えてしまう」
昭和の常識が令和の非常識と化すのは世の流れ。日米通算507本塁打を記録したゴジラの打撃理論も過去の遺物になりつつある。
「松井の打ち方では、ストライクゾーンにしか手が出ないと思います。対して大谷はボールでも得意のコースであれば、まるで球を潰すようなスイングで捉えてしまいます。4月13日の対パドレス戦で打ったホームランも、アウトコース高めのボール球でした。いわゆる〝オオタニゾーン〟とも呼べる独自のストライクゾーン。今季の大谷には内外に死角がありませんよ」(松永氏)
元エンゼルスの日本担当スカウトだった、角盈男氏も熱弁を振るう。
「MLBのスカウトは日本人のホームラン打者のシーズン成績を予測する時に、日本の数字に0.5を掛けるのが常識でした。その範疇から日本でホームランを50本打った松井でも外れることはありませんでした。なんせ30本を超えたシーズンはわずか1回のみでしたからね。いかに大谷の打撃成績がバケモノじみているか、松井と比較するとわかりやすいと思います」
では、通算868本塁打を誇る「世界のホームラン王」王貞治(83)であればどうだろうか。
「そもそも王さんが、現代野球の進化に適応できるのかが不透明です。かつてご本人が『今の時代に現役だったら打てたかわからない』とおっしゃっていたのもうなずける。というのも、今や投手がフォームや球質などを数値化して、150キロ超のストレートと複数の変化球を操るのが当たり前になりました。ましてやMLBは160キロ超のストレートにも対応しなくてはならない。王さんの現役時代は140キロを投げれば速球派と呼ばれていた時代ですからね。大谷と同じフィールドでアジャストできるかどうか‥‥」(松永氏)
とはいえ当時のレギュレーション下、あれほどホームランを打てる打者は希少な存在だった。
「当時は飛ばない球が使われていて、とにかくホームランが出ませんでした。そんな状況を打破するために習得したのが、『一本足打法』でした。下半身の体重移動を利用してスタンドまで飛ばすテクニックに他なりません。現代の投手を打つためにも、フォームを改造するなどして適応できてしまうと思います」(大久保氏)
昭和のすべてを時代遅れと一蹴するべからず。数少ない強打者として培われた感覚もあるというのだ。
「集中力が突出していたと聞いたことがあります。4打席敬遠されて、5打席目に1球だけ投じられたストライクをホームランにしてしまうほど『一球入魂』を徹底されていた。対する大谷が直近の3〜4月に得点圏で凡退が目立ったことも手伝って、ここ一番では王さんに分がある気がします」(角氏)
ギネス世界記録保持者が一矢報いたようだが‥‥。
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