「浪速のモーツァルト」として親しまれた作曲家のキダ・タローさんが5月14日朝、大阪府の自宅で亡くなった。93歳だった。
作曲した作品はなんと、5000曲以上。「プロポーズ大作戦」「ラブアタック」といったバラエティー番組のテーマ曲や、「出前一丁」「かに道楽」「小山ゆうえんち」などのCMソング、あるいは坂田利夫の出ばやし「アホの坂田のテーマ」まで。「メロディーだけなら猫でも作れる」と語っていた。
キダさんの生前最後の出演となったテレビ番組は、自身が「最高顧問」を務める4月19日放送の「探偵!ナイトスクープ」(ABCテレビ)だった。
振り返れば2021年12月3日、円広志のYouTubeチャンネル〈円広志ドウドウ? Channel〉に出演したキダさんが、「最高顧問」の肩書きは自身が勝手に言い出したことだとして、こう話していた。
「(横山)ノックさんと『オレが最高じゃ。オレがとにかくエグゼクティブや!』言い合いして、そしたら向こうが先に死んだから、オレがいちばん上に…」
「やめなさい!」とツッコミを入れた円は、
「これは上岡龍太郎さんに言うとかな。上岡さんが言うてましたで。『キダ先生がお亡くなりになったら、ひょっとしたらオレはもう一回、最高顧問としてやる』って」
その上岡さんは昨年5月19日、大阪市内の病院で亡くなった。円は番組の最後を、こう結んでいる。
「この映像が本当に10年後、20年後に『あ、キダ先生、とうとう逝きはったな』と110歳くらいまで残りますように」
(所ひで/ユーチューブライター)