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記事全文を読む→世界の福本豊<プロ野球“足攻爆談!”>「阪神や巨人のOBがうらやましい」
甲子園球場が8月1日で開場100周年を迎えた。7月30日からの巨人3連戦は、お祝いイベントが満載で盛り上がった。僕も野球だけでなく、試合途中に行われたTUBEのミニコンサートなどを堪能した。7月31日の一戦をスタンドで一緒に観戦した俳優の渡辺謙さんも阪神の6連勝にご機嫌さんやった。アルプス席は普段より約5000人増しで、熱気がすごかった。「野球の聖地」といわれる甲子園球場は、もはや国の重要文化財に指定してもいいと思う。
球場が100年続くというのは実は難しいこと。僕がお世話になった阪急ブレーブスの本拠地やった西宮球場が2004年に取り壊しとなった時は、ほんまに悲しかった。跡地に建てられたのは商業施設の「西宮ガーデンズ」。買い物や食事に行くと、施設内の「阪急西宮ギャラリー」に足を運ぶことがある。ブレーブスの展示スペースがあって、西宮球場のミニチュア模型があるねん。このミニチュアがよくできていて、見入ってしまう。何と言っても、僕の青春が詰まった球場やからね。
阪神タイガースのOBはある意味、うらやましくもある。震災も戦争も乗り越えて、甲子園球場がずっとそこにあるんやから。西宮球場だけでなく、僕の現役時代のパ・リーグの本拠地はほとんどなくなった。南海ホークスの大阪球場、近鉄バファローズの藤井寺球場、日生球場、ロッテオリオンズの川崎球場、日本ハムファイターズの後楽園球場。どこも思い出がいっぱいの球場やった。
球場だけでなく、阪急からオリックスのように、親会社の身売りでチーム名が変わったり、近鉄のように合併されてしまった球団もある。阪神や巨人、中日がOB戦を開くのを見ると、ほんまにうらやましい。オリックスではなく、阪急のユニホームを着て、西宮球場ではなくても、当時の先輩や後輩たちとOB戦を開催できたら、どれだけうれしいことか。
甲子園はタイガースだけでなく、全国の高校球児にとっての憧れの球場でもあるから、やっぱり特別な場所。僕も大鉄高校3年の夏に運よく大阪大会を制して出場できた。開会式の入場行進の段階から、球場の大きさに圧倒された。プロではリーグが違ったので、オープン戦でプレーするぐらいやったけど、やっぱり何か気持ちが高ぶるものがあった。
今では甲子園球場は仕事場でもあるし、それ以上に僕の生活の一部にもなっている。愛犬の散歩コースやし、解説の仕事がなくても、毎試合のようにスタンドに足を運んでいる。やっぱり野球は生で見るのが一番楽しい。テレビには映らない内外野の細かい守備位置や、走者のリードの大きさなど、スタンドからしかわからないことがある。そして、色々なドラマを生んできた、あの黒土と浜風。ドーム球場にはない、緊張感とか開放感がある。時代は変わっても、そのクラシカルな部分は永遠に変えないでいてほしい。
甲子園100周年のタイミングで阪神打線が、活発になってきたのは特別な力が働いているのかな。パリ五輪も面白いけど、野球はやっぱり面白い。人気チームの阪神と巨人がペナントレースを争う最高の展開。歴史ある甲子園で、終盤にどんなドラマが用意されているのか。100年の歴史にふさわしい熱い戦いを期待したい。
福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。
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