200勝まで「あと2勝」が、また遠ざかる結果となった。
2軍調整中の巨人・田中将大は6月25日、イースタンリーグDeNA戦に先発登板したが、制球が定まらず。直球の最速は147キロながら、4回2/3で14安打6失点。奪三振はゼロに終わり、移籍後ワーストの屈辱にまみれた。
ここまで1軍では3試合に先発して1勝1敗、防御率9.00と厳しい状況だ。5月1日の広島戦で3回3失点と振るわず2軍降格となった後、ファームではこの試合前まで2勝1敗、防御率1.85と安定した成績を残していた。それだけに、この日の結果は大きな後退である。阿部慎之助監督は、
「先発ローテーションに空きがないため、しばらくはファームで調整を続けてもらう」
その一方で、野球界を離れたもうひとりの「甲子園スター」は、全く別のフィールドで輝きを増していた。奇しくも田中がノックアウトされた同日、元日本ハム・斎藤佑樹氏がオーナーを務める北海道ボールパークFビレッジ内の「SUNNY TERRACE(サニーテラス)」がオープン。初日から多くの市民でにぎわいを見せた。
同施設は北海道初上陸のナポリのピザレストランやカフェ、回転寿司店などが入る商業施設。斎藤氏はメディアの取材に対し、
「ファイターズの選手として、なかなか活躍できなかった。何かしらの恩返しができないかと考えた結果、ここにたどり着いた。死に物狂いで成功させられるように、頑張ります」
と強い意気込みを語っている。日米通算198勝を誇る田中と、実業家として花開こうとしている斎藤氏の軌跡は、今となってはあまりにも対照的だ。
シーズン終盤、田中はどんな結末を描くのか。偉業を達成した暁には「マー君&ハンカチ王子」がステージを共有する瞬間がくるかもしれない。
(ケン高田)