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晩酌は365日欠かしませんが、平日は必ず18時半から始めます。毎日18時半になったらビールの前に座らないと、機嫌が悪くなっちゃう。当然です、私にとって酒は胸をときめかせてくれるものの一つで、「攻めの養生」の中でいちばん重要なのが「ときめき」なのですから。「ときめき」は、免疫力や自然治癒力も高めてくれるのです。
平日の晩酌は20時までの、1時間半ぐらい。病院で晩酌をする日に呑む量は、350ミリリットルの缶ビールを2~3本呑んでから、ウイスキーをダブルロックで2~3杯呑みます。
結構な量ですよね。
いい気持ちになってきたら、「そろそろメシでも」と頼んで御飯を食べる。20時15分にタクシーに乗って帰宅する、というのが平日のスケジュールです。
日々の晩酌を楽しむ時、私は「これが最後の晩餐」と思いながら味わいます。今夜の晩酌を終えたら死ぬんだと思いながら酒を呑む。
死が怖くないのか? と尋ねられる時、私はこう答えます。
「いつ死んでも後悔しませんし、死に対する覚悟もできています」
覚悟というのは、何も大石内蔵助の討ち入りなんて話じゃありません。今生から死後の世界まで見通して、一歩一歩、命のエネルギーを高めながら自分を向上させていくということです。霊性を高めていくと言いかえてもいい。
それこそが「攻めの養生」で、生きている間は常に果たしていき、死後の世界に行っても続ける。だから、霊性を高めるのは永遠の仕事なのです。
「自分を向上させる」とは、自分が決めた道を、最後の瞬間こそ、より速度を上げて高めていくということです。たとえ志半ばであってもいいのです。志半ばなら、死後の世界へ行ってから続ければいい。
先ほどの知人はまさにこの好例です。
「生」から「死」へ移行するこの瞬間を、私はよく棒高跳びに例えるんですよ。タッタッタッタッと走っていって、一気に加速する。そして、棒を地面に突き立てて一気に跳び越える。跳び越えた先が「死」です。これが私の考える「死」への向かい方です。
私にとって酒が「攻めの養生」の一環になっているのは、遺伝もあると思います。玩具店を営んでいた親父が酒呑みでした。外で呑んで帰ってきて戸を開けた瞬間、土間にドーンと倒れ込む姿を何度も見てました。
親父の遺伝で酒呑みではありますが、そこまで泥酔するほどではありませんし、特に大学生時代はたしなむ程度でした。
酒量が増えたのは、医者になってからです。同業を志す仲間もいるし、酒はおいしいうえに、呑んだ時の気持ちもいいですし。それでだんだん、好きになっていったんですよね。医者になって15~20年目ぐらいまでは、バカ呑みも。
たまに二日酔いでどうにもならない日もあって‥‥今思えば、若気の至りでしたねぇ(笑)。
◆プロフィール 帯津良一(おびつ・りょういち) 医学博士。東大医学部卒、同大医学部第三外科、都立駒込病院外科医長などを経て、帯津三敬病院を設立。医の東西融合という新機軸をもとに治療に当たる。「人間」の総合医療である「ホリスティック医学」の第一人者。
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