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記事全文を読む→本当はコワ〜い「歴史美女」の闇素顔〈古代編〉小野小町は「百夜通い続けたら…」と男を手玉にした
武士の台頭と共に猛女が現れたわけではない。古代の日本から、怖い女たちは存在した。怪僧・道鏡を重用して政治を混乱させた称徳天皇しかり、娘の夫と夜ごと淫らな行為を繰り返した藤原薬子も、その1人だろう。高貴な仮面を剥ぐと、恐ろしい素顔が‥‥。
鸕野讃良皇女(後の持統天皇)といえば、漫画家・里中満智子氏の「天上の虹」(講談社)を思い起こす読者もいるだろう。同作の主人公で、極めて美しく描かれており、心を奪われたムキも少なくないだろう。だが、跡部氏はマンガに描かれていない素顔について、こう指摘する。
「彼女が古代最大の内乱、壬申の乱(672年)を引き起こした黒幕だという説があります」
鸕野讃良皇女の父は天智天皇で、叔父にあたる大海人皇子(後の天武天皇)に嫁いだ女性だ。壬申の乱は大海人皇子が兄(天智天皇)の死後、謀反の軍勢を挙げ、天智天皇の子供である大友皇子を倒して、そのまま政権奪取に成功した争乱。病床の天智天皇が大海人皇子を呼び寄せ、後継指名するが、大海人皇子は出家して吉野に隠遁するとして断った。
「日本書紀」によれば、後継指名を受けて即位の意思を示したら殺されると告げ口した人がいたからだという。
跡部氏が話す。
「事実、天智の死後、吉野の大海人のもとに、朝廷側の不穏な動きが報告され、彼は追い込まれる形で挙兵したとされます。しかし、その話は挙兵を正当化するためのデッチ上げの可能性があったと思います。その間、夫の大海人に寄り添っていたのが鸕野で、表舞台には登場しませんが、乱後の動きに疑わしき点がいくつかあるのです」
乱後の679年、天武天皇は鸕野讃良皇女が産んだ草壁皇子を次の天皇とし、母の違う兄弟同士争わないことを誓わせた。しかし草壁皇子は即位を待たずに亡くなる。鸕野讃良皇女は天武の死後、彼女の孫にあたる軽皇子(後の文武天皇)へ皇位をつなぐためにワンポイントリーフで即位し、持統天皇となった。
「『正倉院宝物』の有名な黒作懸佩刀は、草壁皇子が常に身に着けていたもので、それを藤原不比等が賜り、文武が即位した際に献上したという由緒が記されています。文武こそが、天武から後継指名を受けた草壁の正統な継承者であることを示す逸話です。もちろん、仕組んだのは持統でしょう。つまり、持統が朝廷の実力者である不比等を抱き込んでまで、自分の血筋を皇位につかせることに執着した傍証といえます」(跡部氏)
貞淑な妻を装い、本当にそんな野望を巡らせていたのなら、何ともコワ〜い話である。
古代の日本美女といえば、忘れてはならないのは平安時代の歌人、小野小町だ。クレオパトラや楊貴妃と並んで「世界三大美女」に数えられている。
小野小町は美貌を誇るあまり、言い寄る男を拒み続け、「百夜、私のもとに通い続けたら思いを遂げさせてあげましょう」と高飛車なことを言ったという。この言葉を信じた深草少将は毎夜、険しい山道を越えて小野小町のもとへ通ったものの、ちょうど100日目の夜、つまり1発ヤレる時に、身も心も疲れ果て願いを成就させる前に、この世を去ってしまったのだ。
「男を手玉にとったせいなのか、小野小町は晩年、恵まれず、流浪生活を余儀なくされて落ちぶれ、その遺骸は野晒しとなったという言い伝えがあるのです。平安後期に成立した漢詩文の『玉造小町子壮衰書』に、美しい女性の落魄した様が描かれ、この物語の主人公が小野小町と混同され、その他の伝承と合わさり、『小野小町落ちぶれ伝説』のルーツになっていったんでしょう」(跡部氏)
小野小町に関する伝承は数多く、その実像は不明なことだらけだ。小町の「町」は宮中の局(部屋)を意味し、そこから小野小町は天皇に奉仕する更衣であったとの説が誕生する。
「9世紀半ば、小野一族出身の更衣となると、小野吉子という仁明天皇の後宮に入った女性がいます。彼女を小野小町とする説もありますが、本当に美人だったかどうかは定かでありません」(跡部氏)
実像のわからない女性を「世界三大美女」と讃える。それこそコワ〜い話ではないか。
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