社会
Posted on 2024年09月08日 17:58

人口1500人なのに墓地には死者150万人「魂の町」に今なお出現する霊魂

2024年09月08日 17:58

 アメリカのカリフォルニア州に、なんとも不思議な町がある。1500人ほどの住民に対し、その1000倍に及ぶ150万人の死者が眠っているのだ。それがサンフランシスコの南にある「魂の町」と名付けられたコルマである。

 ではなぜこの町に、それほど大量の死者が出ることになったのか。その理由は「立ち退き計画」にあった。

 それは1914年1月に、サンフランシスコ市から発令された。防波堤建設を目的として、サンフランシスコにある全ての遺体と墓石を移動させるというものだ。そして墓地の移転場所として白羽の矢が立てられたのがこの小さな町、コルマだった。つまりサンフランシスコじゅうの墓地から遺体を集め、それを一カ所に移すわけである。作業が難航を極めたことは、言うまでもないだろう。当時の事情を伝え聞いたという日系企業の元サンフランシスコ駐在員が言う。

「亡くなってからさほど年月を経ておらず、棺の形のまま運べる遺体ならともかく、中には棺が劣化して粉々になっているものが多かった。墓はあるものの遺族の連絡先がわからず、無縁仏となっている遺骨も少なくありませんでした。そうした遺骨は流れ作業で共同墓地に埋葬されることに。それが連日、馬車で各墓地からコルマに運び込まれたわけですが、周囲には強烈な死臭が漂い、夜になるとあちこちで幽霊騒ぎが起こりました。それも作業を難航させる理由のひとつだったといわれています」

 実はコルマには日本人共同墓地もあり、そこには日系コミュニティーの発展に貢献した多くの日本人と日系人が眠っている。元サンフランシスコ駐在員が続ける。

「それまで日本人はサンフランシスコ市の公設墓地である『ローレル・ヒル』や『マソニック公設墓地』などに埋葬されていたようですが、その後、中国人墓地の一部分を日本人墓地として使用することとなったそうなんです。ところが1870年代終盤、亡くなった日本人娼婦の埋葬を教会が拒否。1901年にはやはり娼婦が黒死病で死亡するものの、娼婦だったという理由で再び埋葬を拒否される事件が起こってしまった。そんなことから日本人墓地の設立運動が起き、1902年に明治天皇からの御下賜金によって、コルマに日本人共同墓地が創設されることになったそうです」

 1914年の墓地移転から、今年でちょうど110年。いまだ、このいわくつきの町には夜な夜な霊が出現し、目撃情報があとを絶たない。そんな「魂の町」には怖いもの見たさで連日、全米中から訪問客が訪れるそうだ。

(ジョン・ドゥ)

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