みなさん、こんにちは! 高木真備です。
ゴールデンウィークが終わり、だいぶ暖かくなってきました。 私のゴールデンウィークはというと、「わんにゃんフェスティバル」(譲渡会&啓発イベント)を名古屋競輪場で開催させていただきました(写真はイベントで猫のクイズの説明をしている様子)。たくさんの方にお越しいただき、思いを伝えることができて、とても有意義な時間になりました。
前回の当コラムでは「各都道府県の殺処分数」についてお話ししましたが、今回はもう少し基本的なところに戻って「そもそも猫が保護されないためにはどうしたらいいのか」について、皆さんと考えてみたいと思います。
日本では毎年、多くの猫が保健所や動物愛護センターに収容、または動物愛護団体に保護されています。理由は様々で、野良猫の繁殖や多頭飼育崩壊、迷子になっても飼い主が迎えに来ないケースなど、いろいろな事情が重なっています。
まずはこのような現状を聞いて、皆さんはどう感じたでしょうか。「かわいそう」と感じる方は多いと思いますが、「自分ごと」として感じる方は意外と少ないかもしれません。
私自身、都内に住んでいて野良猫を見る機会はほとんどありませんし、近所で多頭飼育崩壊が起きていても気が付かないのでは、と思ったり。この活動を始めるまでは、正直「自分に何ができるんだろう」と戸惑っていました。
ということで、ここからは「誰にでも起こりうる身近な保護」について書いてみようと思います。
実は保護される猫たちの中には「もともと飼われていた猫」がたくさんいます。理由は様々ですが、まずは一般家庭で飼えなくなり、途中で手放されたケースです。
これは猫を飼う全ての飼い主さんに関係する保護。お家にいる子を手放したら、その子は保護猫になってしまうからです。そう考えると、今までより「自分ごと」に感じる方は増えるのではないかと思います。
これはペットショップやブリーダーからお迎えしても、保護猫の里親さんもみんな同じ。私を含めて「猫を飼いたい」「すでに飼っている」という人たち全てにかかわる、身近な問題だと思います。
保護活動をする上でよく耳にする、生体販売やペットショップについての様々な議論。もちろん改善が必要な点があることは、私も感じています。でも今すぐに私たちひとりひとりができることは、「飼う側の意識を変えること」だと考えるようになりました。
「どこからお迎えするかより『誰が』お迎えするか」
これは保護団体の方から聞いて、印象的だった言葉です。
社会的な改善点がたくさんあったとしても、まずは私たち飼う側の意識を変えることが、保護猫を減らす第一歩。この考え方が、私の活動に繋がっています。
猫の寿命は20年を超えることが珍しくない時代になりました。猫と一緒に暮らすというのは、思っている以上に大きな覚悟が必要です。「自分は大丈夫!」という自信や気持ちだけでなく、物理的に20年の間、猫と生活することが可能なのかを考えること。過信せずに様々なリスクを考えてみることが、とても大切だと思います。
将来のことをイメージする、これも大切な保護活動です。保護される猫がどうかゼロになりますように…。
最後に、今後のイベント情報です。
●5月25日(日):わんにゃんフェスティバルin青森競輪場
●5月31日(土):わんにゃんフェスティバルin高松競輪場
●6月1日(日):保護猫譲渡会inサテライト宮城
お近くの方はぜひ、お気軽に遊びに来てくださいね!
(高木真備)
たかぎ・まきび/1994年8月17日生まれ。2014年に競輪選手としてデビューし、2021年ガールズグランプリで優勝して年間女王になる。2022年に競輪選手を引退し、その後は犬猫の保護活動に携わっている。