5月31日に四国の香川県で「わんにゃんフェスティバルin高松競輪」を開催させていただきました。これまで全国各地で開催してきた「わんにゃんフェスティバル」。「いつか四国で」という思いは、実は私の中でずっと持っていた目標でもありました。
香川県は犬猫の殺処分数が、全国でも多い地域です。もちろん、これは誇れることではありません。でも、だからこそ隠すのではなく、たくさんの方に知っていただけるように、積極的に伝えることが大切だと考えていました。
ただ、数年前に高松競輪と繋がりのある方にイベント開催の提案をしたことがありましたが「殺処分の多い地域でこのテーマは、マイナスイメージにつながるかもしれない」と慎重なご意見をいただいて。マイナスなことを伝えるにあたり、様々な意見や考え方があるんだと、悩んだことがありました。
ただ、私のモットーは「できるだけ楽しく伝える」です。もちろん大事なことはしっかり伝えますが、来場者が「もう聞きたくない」という気持ちにならないように意識してきた、このイベント。今回「一緒にやりませんか」と高松競輪さんが声をかけてくださった時には「楽しくもあり、意味のあるイベント」と認識して頂けたと感じて、本当に嬉しかったです。
「現状を一緒に変えていきたい」というような前向きなお言葉も頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。この場をお借りして、お礼を言わせて下さい。改めて、ありがとうございました!
さて、香川県で殺処分が多い背景には、外で暮らす猫や野犬の多さがあります。自然豊かな地域だからこそ、猫が増えすぎてしまうリスクがあったり、都心部では見かけない野犬が、四国や中国地方ではまだ多く存在していたり。保護されても譲渡できずに溢れてしまうと行き場がなくなり、殺処分に…というのが現状です。
でも行政や連携する保護団体や獣医さん、一般家庭の預かりボランティアさんなど、多くの方が現状を変えるために協力し合っています。
今回、そんな中でも特に印象的だったのが、学生が主となって活動している「学生愛護団体ワンニャンピースマイル」さんとの出会いです(写真)。
小学生から高校生まで、多くの子供たちが自らの意思で活動している保護団体さん。保護された子猫にミルクをあげるところから育てて譲渡に繋げたり、県外でも野犬の里親を探せる仕組み作りをするなど、積極的に活動しています。
実は私が保護活動を知った時に聞いた言葉に「殺処分や保護の現状を変えていくには、子供たちの力が必要。大人に訴えること以上に、子供たちに伝えることが大切」というものがありまして。
殺処分や保護の現状は、今日明日で変わることではありません。だからこそ、今の子供たちが大人になった時に現状が変わるように動きたいと、私自身ずっと考えていました。そんな経緯もあって、私は学生ボランティアの皆さんと出会えたことが本当に嬉しくて!
もっともっとこの活動が広がってほしいですし、「子供たちが頑張っているなら、私たちも手伝いたい」と思ってくださる方が増えれば、さらに輪が広がります。
「ワンニャンピースマイル」さんの各種SNSでは活動の様子が見られるので、ぜひ検索してみてください。
次回のこのコラムは「具体的に学生さんたちと一緒に実施したこととは?」をテーマに書いてみます。香川県を本部として活動している「ワンニャンピースマイル」さんですが、全国各地に支部があります。宮城支部で頑張っている女の子との嬉しい出会いがあったので、ぜひお楽しみに!
(高木真備)
たかぎ・まきび/1994年8月17日生まれ。2014年に競輪選手としてデビューし、2021年ガールズグランプリで優勝して年間女王になる。2022年に競輪選手を引退し、その後は犬猫の保護活動に携わっている。