社会

「とんでもない不正」発覚のフジテレビ系列局が「ドン」に支払った巨額報酬

 フジテレビの系列局「NST新潟総合テレビ」(新潟市)が関東信越国税局の税務調査を受け、2024年3月期までの6年間で約11億円の所得隠しを指摘されていたことがわかった。

 NSTは1968年3月設立で、12月に放送開始。フジテレビ親会社のフジ・メディア・ホールディングスが筆頭株主となっており、信用調査会社によると、2024年3月期の売り上げは67億4900万円だ。

 NSTは取り引きがある複数の制作会社に対し、放送予定のない架空のCM制作費を支払ったり、水増ししたりして外注費を計上。架空分や水増し分を制作会社からNSTに返金させ、広告会社の接待などに充てていたという。

 NSTの酒井昌彦社長は6月4日、新潟市の同局で会見し、次のように説明した。

「制作会社に支払ったほとんどが、元社員の親族名義の会社に流れていたことが税務調査でわかった」

 NST公式サイトにも同様の説明が掲載され、元社員とは係争中であり、金額や経緯の全容は不明だとしている。

「問題の元社員が自身の優位な立場を利用して、制作会社に資金を還流させていたんでしょう。金額が膨らみ、おまけに税務調査で所得隠しを指摘されるまで、気付かなかったことが判明。あまりにもずさんな経理体制を露呈させてしまった」(放送担当記者)

 NSTといえば5月19日、非常勤取締役を務める「フジのドン」ことフジ・メディア・ホールディングス取締役相談役、日枝久氏の退任を発表。6月20日の株主総会と取締役会で正式決定する。

 日枝氏は1994年に、NSTの取締役に就任。退任理由についてNSTは、

「個別の人事については答えられない」

 としていた。

「日枝氏が新潟を訪れるのは年に1、2回。にもかかわらず、毎年、数千万円と言われる報酬を支払っていたと報じられました。1994年から現在まで支払っていたとなれば、かなりの額になる。そのあたりも含めて、経営陣の責任が追及されるべきでしょう」(前出・放送担当記者)

 他の系列局は大丈夫なのか…。

(高木光一)

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