「イチロープラン」の発動か。米独立リーグのフロンティアリーグは、オタワ・タイタンズに所属する大山盛一郎の契約をマリナーズが買い取ったと発表した。今後はマリナーズとマイナー契約を結ぶことになる予定だ。
大山は沖縄・興南高校出身で、オリックスのエース・宮城大弥の1学年先輩。高校卒業後の2019年春に渡米し、カリフォルニア州マーセッド・コミュニティカレッジに進学して1シーズン目からレギュラーとなり、3年目には打率4割9厘、8本塁打、25盗塁。その後、カリフォルニア大学アーバイン校でもプレーし、打率3割1分9厘、7本塁打、44打点、14盗塁の成績を残して帰国した。
2024年8月からはウエスタン・リーグのくふうハヤテに在籍していたが、今年3月18日、アメリカでのプレーを目指し、渡米していた。
マリナーズ傘下のマイナーリーグは現在、元阪神の藤浪晋太郎、元DeNAの乙坂智が在籍しており、大山が3人目の日本人選手となが、今後、さらなる日本人選手の獲得が囁かれている。メジャーリーグを取材するスポーツライターが言う。
「マリナーズにはかつて任天堂の山内溥氏が筆頭オーナーだった時期があり、イチローをはじめ、多くの日本人選手が在籍していました。大魔神・佐々木主浩や長谷川滋利などなどです。ところが筆頭オーナーが交代し、2021年の菊池雄星を最後に、日本人選手はいなかった。大谷翔平の活躍などで、今やメジャーリーグでも日本人選手はトレンドで、今後はヤクルト・村上宗隆らが海を渡ることになる。マリナーズとしても、黙って指をくわえているわけにはいきません。日本人選手を多く獲得することで、日本人選手がプレーしやすいチームであることをアピールしたい狙いがあるのです。マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターである、イチロー氏の助言かもしれませんね」
マイナーリーガーの報酬は、3Aクラスで最低年俸4万5800ドル、シングルAでは2万7300ドル、ルーキーリーグに至っては1万9800ドルといわれる。これで将来の戦力になれば儲けもので、エビで鯛が釣れる可能性を秘める。賢いやり方かもしれない。
(阿部勝彦)