今、全米ホラーファンの関心を一身に集めているのが、「呪われた人形」として知られる「アナベル」をめぐる話題だ。
「アナベル」は2013年に公開された米ホラー映画「死霊館」(原題:The Conjuring)に登場する呪われた人形だが、人形そのものは「ラガディ・アン ストーリーズ」という絵本に登場する実在のキャラクター。
ところがその一体に、わずか6歳で不慮の死を遂げた「アナベル」という少女の魂が憑依し、所有する人々に災いをもたらすとされてきた。
そんなアナベル人形はめぐりめぐって、超常現象研究家として知られるエド&ロレイン・ウォーレン夫妻が運営する「ウォーレン・オカルト博物館」(米コネチカット州モンロー)に寄贈される。「絶対に触れるな!」との注意書き付きで、長きにわたり同館で展示されていた。
だが、その注意書きを無視し、人形のケースを叩いた男性がバイク事故で死亡。さらに面白半分でケースに手を触れ、体調不良や精神疾患に悩まされる人が続出したことで、いつの日かアナベルは「史上最凶の人形」として、その名を全米中に知らしめることとなった。
ところが、そんな人形が今年、ニューイングランド心霊研究協会(NESPR)が主宰する「デビルズ・オン・ザ・ラン」ツアーで、全米各地を巡回しているというのだ。オカルトメディア編集者が言う。
「現在、アナベル人形は、亡くなったウォーレン夫妻の孫にあたるクリス・マッキネルという人物が所有しており、同氏は『ウォーレン・レガシー財団』を通じ、夫妻が所有していたオカルト博物館の収蔵品を全て管理しています。そんな折、全米で『死霊館』シリーズ完結作の『死霊館 最後の儀式』が公開されたことで、死霊館ブームが再燃した。同氏がそのブームに乗ろうとしたかどうかはわかりません。ただ、アナベルが持つ怨念の強さを考えたら、一般公開するなど、狂気の沙汰としか思えない。現状、負傷者や死人の報告はないようですが、体調不良に陥った人がいるようなので、これ以上、被害者が出ないことを祈るばかりです」
「死霊館 最後の儀式」は日本でも今年10月に公開予定だが、「ソウ」シリーズや「インシディアス」シリーズなど、数多くのホラー作品を生み出したジェームズ・ワンがプロデュース。シリーズ後期に監督を務めたマイケル・チャベスがメガホンを執ったこの映画の内容は、かなりエグイと言われる。
映画しかり、実際にアナベルと遭遇するのはむろん自己責任だが、あとの祭りにならないよう、くれぐれも注意が必要なのである。
(ジョン・ドゥ)