交流戦で8勝10敗と負け越しながら、幸運にもセ・リーグ首位にいる阪神では、中野拓夢が脳震盪による離脱を経て1軍練習に合流したが、気になるのは4番の佐藤輝明の守備位置だ。
シートノックでは森下翔太がレフト、佐藤がライトと、交流戦時のポジションで練習。藤川監督は「これ以外、考えていないです」と明言しているが…。
佐藤の外野起用継続には、疑問の声が上がっている。野球解説者の高木豊氏は「【阪神考察】阪神を悩ますサード事情!佐藤輝明&森下翔太の外野で前川の起用が出来ない…佐藤をサードで使うべきか高木の見解を語る!【プロ野球】」と題した動画を自身のYouTubeチャンネルに投稿。森下をレフト、佐藤をライトで起用し、サードに右打者のヘルナンデスを使う藤川監督に異議を唱えた。まずは、
「編成上の問題かなという感じがする」
との見方で、開幕当初にレフトを守っていた左打者の前川右京については、
「左打者が多くなるというね」
浜風の問題で左打者が不利になる甲子園球場の事情もあっての布陣だろうと、理解を示したのである。だがその上で、こうも言っている。
「前川は育てなきゃいけない選手だ」、
問題の佐藤については、
「サトテルがサードの方が緊張感が持続して、バッティングもいいような気がする。ミスするかもしれないけど、緊張感をずっと持たせといた方が、バッティングにもいい影響になると思うんだよね」
外野の方が守備が安定すると考えるよりも、もっと別の視点を持てというのである。
佐藤をサードに戻し、森下をライトに。レフトは左の前川と右打者を相手投手によって使い分けたらいいのではないか、ということだ。
高木氏と同じような考え方を示しているのは、大の虎党として知られる俳優の渡辺謙である。自身のXで主張しているのは、
〈流石にそろそろ開幕の頃の守備位置に戻した方が良いかもです〉
2軍落ちしていた前川は6月17日に1軍復帰したが途中出場が続き、交流戦終了後は出場機会を求めてファームの試合に出場している。
藤川監督は守備位置シャッフルについて、
「それが必要となればそうするかもしれないけど、ゲームのギリギリまでわからない」
と明言を避けた。妥当なのは藤川流か高木流か、いずれ結果が示されることだろう。
(石見剣)