スポーツ
Posted on 2025年08月12日 18:00

高校野球選手名鑑「甲子園」の「チアリーダー」表紙に論争が巻き起こる背景

2025年08月12日 18:00

 夏の甲子園が盛り上がる中、グラウンド外で思わぬ論争が巻き起こっている。
 
 発端は、朝日新聞出版が発行する観戦ガイド「甲子園」の表紙だ。毎年のように女子高生チアリーダーの写真が使われていることに対し、「球児が主役なのにおかしい」「選び方が気持ち悪い」といった批判がSNSで急速に拡散。あるXの投稿は5万超の「いいね」を集めているほどだ。

「甲子園」は、「AERA」の増刊として毎年刊行される高校野球ファン必携の一冊。全国49代表校のデータや注目選手のグラビア、戦力分析、集合写真、校歌、監督の素顔まで網羅し、観戦時に役立つ書き込み式トーナメント表も付く。熱心なファンは、この名鑑にメモやスコアを記録し、自分だけの“甲子園アルバム”を作るという。

 その表紙は過去に漫画「タッチ」の浅倉南が採用された年もあったが、基本的にはチアリーダー路線が続いてきた。これに批判派は「性搾取的」「ルッキズムを助長している」とフェミニズム的な問題意識を示す。一方、擁護派は「チアも大会の華」「学校や本人が了承している以上、外野が口を出すべきではない」と反論している。
 
 この論争は、かつて表紙に昆虫写真を使っていたジャポニカ学習帳が、昆虫嫌いの子どもへの配慮などから「共生」をテーマにイラストへ刷新した事例を思い起こさせる。結局のところ、好みや時代感覚によって評価は分かれるのだ。

 甲子園の魅力は、選手のプレーだけでなく、スタンドの熱気や応援風景を含む大会全体にある。今回の表紙騒動も、そうした多様な魅力や時代の空気を映す一つの現象だろう。批判も擁護もあるが、「考えすぎでは」という声も根強い。夏の高校野球は、グラウンドだけでなく雑誌の表紙まで熱くさせている。

(ケン高田)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/8/5発売
    ■680円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク