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記事全文を読む→三又又三の「社長、前借りいいですか?」〈気づけばフル出勤〉
元気ですか!?(猪木風)。還暦ブレイクを本気で狙っている三又又三(58)です。
そもそも、なぜ僕が不動産会社で働くことになったのか。入社までのいきさつを語りたいと思います。
それはコロナ禍のこと。ある事情で、僕はそれまで間借りしていた家を出なければならなくなり、スーツケースに荷物を詰めてホテルを転々としていました。当時は今とは比較にならないくらい安かったんですよ。1泊3000円の宿泊プランもありましたから。お気に入りのホテルが浅草にあって、そこはスタンプがたまると1泊無料になったり、東南アジアから働きに来ていた客室係がフレンドリーで、出かける時に、
「イッテラッシャイマセ」
と元気に送り出してくれたり、帰ってくると部屋のゴミはキレイに片づけられて、シーツはビシッと交換されている。
快適なホテル暮らしを満喫していたのですが、ある日突然、ホテルの閉館を知らされたのです。2年前の秋のことでした。
明日からどこに泊まろう‥‥。途方に暮れているところに「久しぶり!」と電話をかけてきてくれたのが、現在勤めている不動産会社の社長。以前からお世話になっていて、僕の単独ライブのチケットを買ってもらったりしてたんですよ。その社長から何かイベントの仕事でもいただけたら‥‥。そんな思いもあって挨拶に行ったんです。僕がスーツケースをガラガラと引いているのを見て、すべてを察したんでしょうね。
「あれ? 三又さん、もしかして住むところに困ってます? うちで借ります? 私が保証人になりますよ」
住まいだけじゃありません。
「うちで働きません?」
それは突然のお誘いでした。
「え? え? ちょっと待ってくださいよ」
驚きましたよ。自動車免許もない。パソコンも触ったことがない。宅建(宅地建物取引士)の資格どころか不動産の知識もない。そんな僕に社長は、
「大丈夫、大丈夫。じゃあ、明日から出社して」
こうしてトントン拍子に入社が決まったわけです。
そして初出社。自分の机にパソコンが用意されてるわけですよ。年下の先輩社員から、
「じゃあ三又さん、電源入れてください」
そう言われても、どこにボタンがあるのかわからない。焦りながらパソコンをまさぐって、
「どこ押せばいいんですか?」
きっとギャグだと思われたんでしょうね。
「三又さん、そういうのはいいですから」
真顔で言われましたよ。
入社にあたって、社長はこんな言葉をかけてくれました。
「どうか芸能のお仕事を優先してください。お仕事が入ったら会社を休んで構いませんから」
本当にありがたいですよ。社員のみなさんも「たまに会社に顔を出す程度かな」と思ったかもしれません。
でもね、次の日もまた次の日も僕がしれっと出社してくるわけです。「あれ?今日も来てる」みたいな反応だったのが、「大丈夫ですか?」って本気で心配されたりね。知らない人もいるかもしれませんけど、不動産業界って土日も働くんですよ。気づけば週5日のフルタイム出勤。そのうち労務担当の方から、
「ほぼ毎日出勤しているから、社会保険に加入しないといけませんね」
と言われる始末。これまでずっと国民健康保険だった僕が、生まれて初めて社会保険に加入したんです。
でもね、最近は少しずつ、芸能の仕事も増えてきてるんです。入社当初は御心配をおかけしましたが、今はちょくちょく“芸能休暇”をいただいて、み〜んな僕より遥かに年下の上司たちから「売れっ子ですね」なんてイジられてます。
三又又三(みまた・またぞう)株式会社TAP所属のお笑い芸人。「踊る! さんま御殿!!」(日テレ系)、「志村けんのバカ殿様」(フジ系)等数々のバラエティーに出演。2023年より不動産会社に勤務し、芸人との二刀流で活動。今夏より漫才協会に入会。
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