エンタメ
Posted on 2025年10月04日 09:00

【王座戦の転換点】藤井聡太を翻弄して崖っぷちに追い込んだ伊藤匠の「独饅頭返し」

2025年10月04日 09:00

 将棋の第73期王座戦五番勝負が、激動に見舞われている。藤井聡太王座(七冠)が崖っぷちに追いやられる展開となっているのだ。
 第3局は9月30日に名古屋マリオットアソシアホテルで行われたが、藤井は伊藤匠叡王に敗れ、対戦成績は1勝2敗に。タイトル戦で圧倒的な勝率を誇ってきた藤井の大ピンチである。

 大きな議論を呼んだのは、やや不利で迎えた86手目。局面では△8六歩が有力とされていたが、藤井はあえて金取りを放置して、△8八歩と踏み込んだ。見た目には勝負手に映るが、結果的には相手の▲6四桂という王手筋を呼び込み、リスクを背負う展開に。伊藤は▲8六金と打ち、竜を捕獲。ここで主導権を完全に握り、形勢は一気に伊藤へと傾いた。
 
 この△8八歩は「毒饅頭の一手」だった。妙手に見えても、実際には勝負を壊しかねない危うい選択肢で、毒にあたるように形勢を崩す可能性がある。伊藤はその毒饅頭を冷静に受け流すと、逆に自らも駒を差し出す大胆な応手で切り返し、「毒饅頭返し」と言うべき展開で藤井を翻弄した。

 とはいえ、この場面をもって藤井の衰えと結びつけるのは短絡的だ。むしろ伊藤の周到な準備と、終盤での切れ味ある読みが王者を揺さぶったとみるべきだろう。
 22歳の伊藤は昨年、藤井から叡王を奪ったばかり。今シリーズでは一歩も引かず、堂々と渡り合っている。その姿は羽生善治九段を中心に森内俊之九段、佐藤康光九段らがしのぎを削った「羽生世代」のライバル構図を思わせた。若き2人の激闘は、長らく続いた「藤井一強」の時代に変化の兆しを告げている。

 次戦は10月7日、神奈川県秦野市の元湯陣屋で行われる。背水の陣の藤井が冴えを取り戻すのか、それとも伊藤が勢いそのままに二冠となるのか。盤上のドラマはいよいよ佳境を迎える。

(ケン高田)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年01月14日 07:30

    昨年あたりから平成レトロブームを追い風に、空前の「シール」ブームが続いている。かつては子供向け文具の定番だったシールだが、今や「大人が本気で集めるコレクターズアイテム」として存在感を放つ。1980年代から90年代を思わせる配色やモチーフ、ぷ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月19日 07:30

    鉄道などの公共交通機関で通勤する人が、乗車の際に使っている定期券。きっぷを毎回買うよりは当然ながらお得になっているのだが、合法的にもっと安く購入する方法があるのをご存じだろうか。それが「分割定期券」だ。これはA駅からC駅の通勤区間の定期券を...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年01月22日 07:30

    今年も確定申告の季節がやってきた。「面倒だけど、去年と同じやり方で済ませればいい」と考える人は少なくないだろう。しかし、令和7年分(2025年分)の確定申告は、従来の感覚では対応しきれないものになっている。昨年からの税制の見直しにより、内容...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/2/17発売
    ■550円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク