社会
Posted on 2025年10月15日 07:00

「インテル入ってる」に不満爆発!内蔵CPUドライバー更新問題で露呈した「経営苦境」

2025年10月15日 07:00

「Intel入ってる」
 かつて安心の代名詞だったそのキャッチコピーが今、ユーザーの不信を招いている。
 米インテルが、第11~14世代CPUに搭載される内蔵GPU(グラフィックス機能)のドライバー更新を、2025年9月で「レガシーサポート」へ移行すると発表していることによるものだ。対象はデスクトップ、ノートの両方。第14世代はまだ店頭で現行モデルとして流通しており、ユーザーからは「最新機種がもう型落ち扱い?」と不満が噴出している。

 これまで毎月出ていたドライバー更新は、今後は四半期に1回、主にセキュリティー修正のみに縮小される。アプリ互換や性能最適化の更新は打ち切られ、発売日に合わせた「Day 0ゲームサポート」も終了。その結果、新作ゲームや動画編集ソフトで不具合が出ても即時パッチは期待しにくく、次の定期更新まで待つことになる。
 
 影響が大きいのは専用GPUを持たず内蔵グラフィックスを使用する一般ユーザーで、映像出力の不安定化やマルチモニター周りの不具合が懸念される。一方、独立GPU(ゲーミングPC等)を積むモデルは、各GPUメーカーの更新が別途提供されるため、影響は比較的、限定的だ。

 こうしたものの背景には、経営の苦境がある。製造技術でライバルのTSMCに後れを取り、独自GPU「Arc」初期はドライバーの未成熟が指摘されるなど、商業面でも苦戦。人員削減が進み、2022年に約13万人だった従業員は、2025年末にはおよそ7万5000人と、4割以上の削減規模に達する見通しだ。開発リソースが逼迫する中、細かなサポート維持が難しくなった事情がうかがえる。

 ユーザーの反応は割れている。「もうAMDに乗り換える」「『インテル入ってる』のステッカー外した」と失望する声は多いが、「再建のためにはやむなし」「GPU開発に注力すべき」と理解を示す意見もわずかに見られる。ただ、共通するのは「裏切られた」という思いだ。性能競争で拮抗する現在、差を生むのはもはや速度より「誠実さ」かもしれない。

 かつて半導体の代名詞だったインテルは今、信頼を取り戻す最中にある。痛みの先に再び「Intel Inside」を誇れる日が来るのだろうか。

(ケン高田)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/10/14発売
    ■630円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク