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記事全文を読む→三又又三の「社長、前借りいいですか?」〈漫才協会に入って〉
元気ですか〜!(猪木風)。還暦ブレイクを本気で狙っている三又又三(58)です。
僕は千葉の不動産会社で働きながら、この夏からは漫才協会の会員として、東京・浅草の東洋館の寄席に出演させてもらっています。舞台がある日も会社で朝から働き、時間が来たらタイムカードを押して“中抜け”で浅草に向かうんです。普通の不動産会社なら許されないですよ。これも日頃から僕が社内のコミュニケーションを大切にしているからこそなせる業。
しかも会社のロゴ入りのポロシャツを着たままステージに立つのが僕のスタイル。お客さんにも、僕が会社員をしていることはすっかり認知されていて、登場するなり、
「いや〜、会社のみんなには“外回り”って言ってここに来てるんですよ」
これがウケるんです。
今でこそ正式に所属会員になりましたけど、漫才協会とは浅からぬ因縁がありましてね。あれは8年ほど前のこと。実はそれまで漫才協会の寄席には「道場破り」っていうゲスト枠でちょこちょこ出ていたんですよ。そしたらある後輩芸人が耳打ちしてきたんです。
「三又さん、今の漫才協会はナイツの派閥が多いから、協会に入って僕の派閥に入ってくださいよ」
とはいえ、いきなり入れるものじゃありませんからね。しっかり根回しに動いたわけですよ。たとえば協会の重鎮で、当時は超不仲コンビと知られたおぼん・こぼん師匠。おぼん師匠と飲みに行ってはこぼん師匠への愚痴を聞き、こぼん師匠と飲みに行っておぼん師匠への愚痴を聞き‥‥と水面下で票集めに奔走しました。どんな年上の大御所でも懐に入っていけるのが僕の強みですから(笑)。
ところが、ある日電車に乗っていて何気なくスマホを見たら「Yahoo!ニュース」でこんな速報記事が流れたんです。
「三又又三、漫才協会入り満場一致で否決」
おいおい、あれだけ根回ししたのに、1人も手を挙げなかったっておかしいでしょう! その後、現漫才協会会長のナイツ・塙くんはこう言ってフォローしてくれたんです。
「すいません。うちは漫才協会なので、やはり漫才コンビでないと‥‥」
でもウクレレ漫談家のぴろきさんを始め、ピンの芸人さんがたくさん所属してるんですよ。やっぱりおかしいでしょう!
今年6月、ナイツのラジオに出させてもらった時に塙会長に直談判ですよ。
「僕も漫才協会に入れてくださいよ!」
何しろ会社員の肩書きがあるので、当時とは信用度が違います。大きな借金はありませんし、社会保険だってありますよ。
その後、理事会の承認を得て、ようやく所属が認められたのが今年の夏。あれほど険悪ムードだったおぼん・こぼん師匠はすっかり仲直りして、僕が小学生の時に「お笑いスター誕生!!」で観ていたネタを今もやっている。そして合間にはこんなやりとりで客席を盛り上げているんです。
「まあ、こいつが先に死にますけどね」
「何言ってんだよ。お前のほうが先だよ」
「俺は泣かねえよ。こいつが死んだって」
「俺だって泣かねえよ」
不謹慎にも、僕は舞台の袖でゲラゲラ笑ってるんですけど、76歳の2人が言うと、ネタを超越してくるんです。何十年も一緒にやってきたから漫才に人生が滲み出ているというか。
僕もおぼん・こぼん師匠のように、漫談でも不動産の仕事でも、自分だけの味を出していきたいですね。
東洋館の寄席はいつも大盛況。特にナイツが大トリを務める日は立ち見が出るほどですが、いつまでも協会の先輩方におんぶにだっこじゃ情けない。どんな仕事でもそうですが、甘えは禁物。「三又が出るからお客さんが入る」と言ってもらえるよう、史上最短で大トリを務めるのが今の目標です。
三又又三(みまた・またぞう)株式会社TAP所属のお笑い芸人。「踊る! さんま御殿!!」(日テレ系)、「志村けんのバカ殿様」(フジ系)等数々のバラエティーに出演。2023年より不動産会社に勤務し、芸人との二刀流で活動。今夏より漫才協会に入会。
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