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2013年8月、そんなヨンヒを震え上がらせるできごとが起こる。銀河水管弦楽団をめぐるスキャンダルである。金正恩の妻、李雪主も歌手時代に所属していた人気楽団だ。
「夕方、急に学内放送で4年生は姜健総合軍官学校に集まるように指示がありました。姜健軍官学校と聞き、銃殺かなとぴんときた。処刑場として知られていたからです。私はそれこそ心臓をばくばくさせ、向かいました」
予感の通りだった。
「集められたのは私たちのほか平壌外国語大学の学生と芸術関係者です。運動場のようなところで8人が大きな木にくくりつけられ、罪状が読み上げられました。彼ら団員が不純な性録画物を見て、それを複写したと言っていました。処刑は高射砲です。10分くらい撃ち続けた。あっという間に体のかたちがなくなる。地面は血の海です。おしっこをもらしそうでした。いま思い出しても身の毛がよだちます。処刑がすむとすぐ大学に戻り、軍幹部から見たままを下の学年に証言するよう求められました」
処刑された団員のなかには国際コンクールで優勝した経験もあるバイオリニストのムン・ギョンジンもいたといわれている。
ヨンヒにとって2度目の公開処刑だった。いやでも中級班3年のとき、元山で目撃した友人のお母さんの銃殺シーンがよみがえってくる。封印していた記憶である。平壌の学校や職場では3日以内に過去に見た韓流ドラマなどを申告するよう厳命されたという。そして、この年12月には金正恩のおじで側近中の側近だった張成沢が処刑される。国家転覆を謀はかった万古の逆賊だ、と断罪されたのだ。罪状には「権力を乱用し、多くの女性と不当な関係を持ち、高級食堂の裏部屋で酒遊びや飲み食いをくりひろげた」とあった。
かつてない恐怖が社会をおおう。
「張成沢の件では私の知り合いもたくさん捕まり、収容所へ行ったんです。大学の先輩や元山にある凱旋ホテルの支配人もいなくなり‥‥」
ヨンヒは多くを語ろうとしない。粛清の嵐にだれもが身を縮めていたのだろう。
おおみそかには元山の近くに馬息嶺スキー場が開場した。スイス留学の経験がある金正恩は自らリフトに乗り、満足そうな表情をみせた。相変わらずミサイルの発射は繰り返され、核実験も続いていた。若き指導者は迷走しているかのようだった。
世界が見えない。未来が見えない。ヨンヒは乙密台で別れたソンオクの言葉を思い出す。
「この国はだめだ。ほんとうは行けるなら日本に行きたいんだ」
おぼろげではあったが、ヨンヒの心のなかにも「日本」がちらつきはじめた。
鈴木琢磨(すずき・たくま)ジャーナリスト。毎日新聞客員編集委員。テレビ・コメンテーター。1959年、滋賀県生まれ。大阪外国語大学朝鮮語学科卒。礒𥔎敦仁編著「北朝鮮を解剖する」(慶應義塾大学出版会)で金正恩小説を論じている。金正日の料理人だった藤本健二著「引き裂かれた約束」(講談社)の聞き手もつとめた。
写真/初沢亜利
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