社会
Posted on 2025年10月28日 06:45

「え、牡蠣がない!?」「せっかく食べに来たのに…」観光客がガックリと肩を落とす広島県の「養殖激変」事情

2025年10月28日 06:45

 秋冬の代表的な味覚に「牡蠣」がある。名産地として知られる広島県では例年、10月頃から鉄板焼き店や牡蠣専門店でシーズンが始まるが、今年は様子が異なっている。10月下旬になってもまだ牡蠣を提供できない店
が多く、観光客は肩透かしを食らっているのだ。

〈広島に来たのに牡蠣が食べられなかった〉
〈鉄板屋で「もう少し待ってね」と言われた〉
〈専門店でも前回より身が小さかった〉
 事実、SNS上にはそんな不満が渦巻いていた。訪日外国人観光客からも〈オイスターを食べに来たのに!〉とがっかりする投稿が相次いでいる。

 原因は夏の記録的な高水温だ。瀬戸内海の海水温が30度近くまで上昇し、牡蠣の稚貝が大量死するなどの被害が出た。養殖業者によれば、
「例年なら秋口には十分に育っているはずの牡蠣が、まだ身が小さく出荷できない」

 広島の鉄板焼き店は、県外から牡蠣を仕入れざるをえない状況に。県内の養殖業者も種ガキの一部を県外から購入しており、今年のように海水温が高く生育が遅れると、県内産だけでは安定供給が難しくなるためだ。地元関係者によると、今年は11月下旬から12月頃にようやく本格的なシーズンインを
迎える見込みだという。

 現在、牡蠣が育ちやすい地域としては北海道(厚岸・仙鳳趾)、宮城県(松島・石巻)、福岡県(糸島・博多湾)などが挙げられる。これらの地域は海水温が安定しており、身が大きく濃厚な牡蠣が育つため、仕入れは比較的安定して可能となる。

 気候変動は牡蠣だけでなく農作物にも影響を与え、「食の風物詩」のカレンダーを激しく塗り替えているのだ。

(旅羽翼)

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