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記事全文を読む→お見送り芸人しんいち「僕が嫌われ者になった瞬間」を激白
初の著書「嫌われ者って金になる!」(徳間書店刊)を上梓したお見送り芸人しんいち(40)。そのタイトルどおり、どんなに「クズ」「最低」と世間から罵られようとも、したたかに生き抜く術を余すことなく描いた一冊となっている。しかし、“鋼のメンタル”を手に入れるまでには紆余曲折があったようで‥‥。
しんいちが「徹底的に嫌われてしまえ!」と覚悟を決めたのは、「R-1グランプリ」2022王者に輝く5年ほど前のこと。雌伏の時と言えば聞こえはいいが、クズ芸人以前、タダのクズ時代でもあった。
とはいえ、所属事務所の先輩であるサンドウィッチマンの富澤たけし(51)の助言を受け入れ、始めたギター弾き語りの歌ネタに手応えを感じ始めていた矢先でもあったという。当のしんいちがこう続ける。
「少しだけライブでウケるようになったと言っても、相変わらず事務所内での立ち位置は下から数えたほうが早い危機的状況。首の皮一枚でやり過ごす日々でした。そんな時に、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の『山-1グランプリ』という、ダウンタウンさんをはじめとした出演者さんの前でネタを披露する企画の、オーディションの案内が事務所に届いたんです。やる気を見せないと終わりの状態だったので『行かせてください!』と真っ先に志願しました」(以下、「」内のコメントは全てしんいち)
だが、困ったことに「ネタがまったくない」状態。しかもかなり深刻で‥‥。
「ギターを担ぎながら、『どうしよう』と、うなだれたまま、オーディション会場に向かいました。道中、電車内の中吊り広告、駅構内のポスター、街じゅうのありとあらゆる場所にいる、とても美しい方が目に飛び込んできたんです。そう、天海祐希さんです!」
この17年当時、天海は1月から主演映画が封切られ、春ドラマの主演も決まるなど大活躍の年だった。
「『ホンマ見かけない日ないな‥‥』と、ボンヤリ思った瞬間、ふとネタが降りてきたんです。それが、天海さんをほめちぎったあとに、とにかく悪口を言うネタ。思いついてからは早かった。会場へと歩きながらネタを作っていきました」
オーディションでの評判も上々で、トントン拍子で番組出演が決定。このネタこそが、しんいちの立身出世作となる「dear天海祐希さん」だった。
「僕にとって、初めて自分の力でつかみ取った番組出演でした。ただ、このネタは今思い返してもヒドイ。とにかく、天海さんへの悪口を言うだけ。しかも、ヒネリも何もなくストレートにクサすばかりでキツすぎる、ただただ失礼。本当に世が世なら一発で終わるレベル。なぜ、あの時は許されたのか? それはまったくの無名の芸人だったからです。ほぼテレビ初登場ぐらいの芸人が、ひたすら有名人の悪口を言いまくる。その光景を、ダウンタウンさんが『悪いヤツやなあ』と大笑いしながらフォローしてくださっただけです。あらためて誌面をお借りして、ここに謝罪いたします。天海祐希さん、たいへん失礼しました。申し訳ございません」
収録現場でもウケて、放送直後は「おもしろい!」とSNSでは好意的な声も得ていたのだが‥‥。
「どんな行動にも代償はつきまとうものなんですね。僕のSNSには『天海さんに謝れ!』や『宝塚に足を踏み入れるな』という文句や、ここでは話せないような内容のDMがバンバン届きました。人生初の“大炎上”が巻き起こったのです。当然ながら事務所にもクレームの電話が殺到し、マネージャーさんたちの仕事の手が止まったほどでした」
この事態をおもしろがって、「あのネタ、どうですか?」とテレビ番組からオファーが事務所に届くも、炎上の猛火を前に、全てが流れていったという。
「普通の精神状態なら、食事もノドを通らず、家から一歩も出たくなくなるはずなのに、電車内でSNSの反応や、その炎上ぶりを茶化すネットニュースを見て、ニヤニヤしていた自分がいたんですよ(笑)。この時、心の中では『みんな俺のこと見てる、俺のことを怒ってる、俺のことをおもしろがる人が少なからずおる』とうれしがっていた。『俺のことをみんな話題にしている』と思うと、みるみる元気になっていくんです。実際、その燃えるさまをオカズにしながら、腹いっぱい飯食っていましたから(笑)。炎上を燃料に俺はこの先、もっと行けるぞって、本当に失礼な話ですが‥‥」
この人生初炎上が、著書でも描かれている「しんいちマインド」を、よりアップデートさせていく。
「悪口を言われ、嫌われることに、僕だって心折れることは何度もありました。けど、ショックを受けたのは、『みんなに好かれたい』という思いがあったからです。実際、僕は人が好きですし、みんなに好かれたいと思って生きてきました。中学で不良にヘコヘコして太鼓持ちに徹し、高校もサッカー部でインターハイに行けるAチームに入るためにみずからお笑い役を買って出て、芸人になっても先輩たちに太鼓を叩きまくった。本当に好かれたくて、好かれたくて、どうしても人から好かれたかった。でも、それでテレビに呼ばれることはない。人生を変えるような出来事にはつながっていない。そう思ったら、めちゃくちゃ腹が立ってきた。『好かれるって、意味あるんか!?』って。『優しさなんてええわ! 徹底的に嫌われてしまえ!』と、完全に吹っ切れた。そうです、この瞬間に、『お見送り芸人しんいち』の歴史が本格的に始まったんです」
翌18年、新ネタとして「僕の好きなもの」を初披露。その後、4年間かけて磨きに磨きをかけ、このネタでR-1を制した。そして、また嫌われる。「性格が悪すぎる」「芸歴を詐称している」などなど、しんいちへのクレームが相次いだのは周知のとおり。中でも7股交際疑惑は世の女性たちからの反感を買ったのではないか。
「今は2人ですね。僕は芸能人とお付き合いしたいので、遊びでもいいと理解ある一般の方と仲よくさせてもらってます(笑)」
果てしないポジティブ思考‥‥。なぜか嫌われ者から人生を学びたくなってくるから不思議なものだ。ぜひ、初著書をご一読あれ!
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