社会
Posted on 2025年11月23日 18:00

六代目山口組 住吉会との「盃儀式中止」までの緊迫14日間(1)六代目山口組を住吉会が緊急訪問

2025年11月23日 18:00

 人知れず水面下で進められていた東西の巨大ヤクザ組織の距離を一段と近づける「盃儀式」があった。ところが、開催直前に急転直下、儀式の中止が決定、幻に終わったのだ。ヤクザ社会が一時、騒然としたニュースの裏側では何が起きていたのか─。アサ芸だけが追っていた中止決定までの14日間を以下─。

「六代目山口組(司忍組長)に来客がある」という情報が駆け巡ったのは11月12日の訪問直前のことだった。いかに緊急性があるかがうかがえた。しかも、訪問客は関東の巨大組織である住吉会(東京・小川修司会長)だという。

 山口組と住吉会は、03年の北関東抗争など激しく対立した過去もあるが、司組長と住吉会先代の関功会長の就任以降は個人的な友誼を重ね、両組織の関係も雪解けムードが高まった。それどころか、近年は時候の挨拶訪問を交わし合う仲にもなっていた。しかし定例の訪問にはまだ時期が早く、業界内が「何事か」と大きくざわついたのだ。

 果たしてその当日、その会場とされた愛知県豊橋市の十一代目平井一家(薄葉政嘉総裁)本部へと向かった。午前11時半頃、六代目山口組の秋良東力若頭補佐(秋良連合会会長)と佐藤光男若頭補佐(落合金町連合会長)が豊橋駅に現れ、西口のエスカレーターを上がっていく。住吉会一行は正午前に新幹線で到着するとのことで、その出迎えのためだった。

 住吉会側のメンバーは、小川会長、児島秀樹会長補佐、小坂聡会長代行、松山博文組織統括長の4名だった。秋良若頭補佐が先導し、2台の送迎車に分乗、そのまま平井一家本部へ向かった。

 それを追いかけ、平井一家本部前に着くと、そこでは複数の捜査員が警戒にあたっていた。状況を見守る中、ほどなくして駐車場につながるシャッターが開く。見れば、客人の見送りのため、六代目山口組直参らが退出準備中の送迎車周辺に集まっていた。

 そこに姿を見せたのが、住吉会の一行と、竹内照明若頭(四代目弘道会総裁)だった。小川会長らが車に乗り込むと、竹内若頭をはじめ山口組直参らが深々と頭を下げて見送り、住吉会一行は帰途についたのだった。

 実は、両組織の間で最高幹部同士の「盃儀式」が近く開かれる、という情報が10月後半から業界内で出回っていた。その当事者は六代目山口組側が中田浩司若頭補佐( 五代目山健組組長)、住吉会側が小坂聡会長代行(幸平一家総長代行)だという。今回の急な訪問は、その盃に関する、何らかの話し合いであると思われた。

 幸平一家は現在、十三代目総長である住吉会・加藤英幸特別相談役をトップに、都内や埼玉などに広大な縄張を持った老舗組織だ。特に、その武闘派ぶりは業界中に知れ渡り、山健組とは分裂の以前から交誼があった。中田若頭補佐が18年、当時属していた神戸山口組(井上邦雄組長)で山健組の五代目を継承した時も、襲名の挨拶のために上京し、幸平一家本部を訪れている。後日、その返礼として山健組本部を訪問したのが、誰あろう小坂会長代行だった。山口組事情に詳しいジャーナリストが語る。

「当時は山健組が神戸山口組側の先頭に立って、六代目山口組と対峙していた時期。にもかかわらず、六代目山口組とも付き合いのあった住吉会の組織が山健組と懇意にしていたのは、加藤特別相談役が、かつて山健組最高幹部であった親分と兄弟分の間柄であり、その個人的な信義を重んじたからだと言われています」

 神戸山口組が抱える事情を超えた親戚同様の付き合いがあり、中田若頭補佐と小坂会長代行もその過程で親睦を深めていった、ということなのだろう。

 しかしその後の取材により、この盃儀式は確かに予定されていたものの、中止になったことが判明した。いったい、何があったのだろうか─。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/11/18発売
    ■530円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク