社会
Posted on 2025年11月02日 18:00

神戸山口組「九州集結」の緊急事態(1)3年4カ月ぶりに神戸山口組が動く

2025年11月02日 18:00

 六代目山口組からの「一方的な抗争終結宣言」が出て以降、敵方には組の行く末を決定するような組織的行動はほとんど見られなかったが、ここに来て神戸山口組が動いた。井上組長をはじめ全直参が、極秘で九州に集結したのだ。一体何が起きたのか。情報をキャッチし向かった先で見たものは─。

「抗争終結宣言」後、精力的に組織刷新を行っている六代目山口組(司忍組長)とは対照的に、あくまで沈黙を続ける神戸山口組(井上邦雄組長)。ヤクザ事情に詳しいジャーナリストが言うには、

「連絡を取り合ったり、個人的に誰かと会ったりといった行動に関しては知る由もありません。実際、井上組長が4月に宮下和美舎弟頭補佐(二代目西脇組組長)とともに九州を訪問したことも、1カ月以上経ってから明らかになりました。組織的な活動をすれば、その分目立つし、情報も漏れるもの。その意味では、神戸山口組が組織全体で動いたことを最後にメディアがキャッチしたのは、22年6月に営まれた仲村石松若頭補佐の葬儀になります」

 約3年4カ月の間、最高幹部人事や傘下組織の脱退や解散・引退などの情報は伝わってきても、カメラが井上組長らをとらえることはなかった。

 だが10月10日、かつて神戸山口組の中核組織だった五代目山健組(組長= 六代目山口組・中田浩司若頭補佐)の組員の年忌法要(後述)を取材する最中、急遽、次のような情報が飛び込んできたのだ。

「9日に神戸山口組の元満志郎組織委員長(二代目安部組組長)が亡くなった。本日10日に通夜が営まれ、明日11日の告別式に井上組長と神戸山口組の直参衆も参列するそうだ」

 この時点で、告別式の斎場は未確認だったため、利用が見込まれる新神戸駅で張り込むことを決定した。

 11日、早朝から新神戸駅で待機していると、午前9時前に動きがあった。西野雅之幹部(二代目健國会会長)と、直参でかつての山健組若頭、與組・與則和組長が姿を見せたのだ。

 2人は、神戸市が特定抗争指定の警戒区域で組員の集合が禁じられているせいか、それぞれ組員も連れず、2人だけで現れた。そのまま足早に博多行きの新幹線に乗り込み、元満組織委員長の弔問に向かった。

 やはり情報は正しかった。ならば井上組長も続けて訪れるはず─。しかし、その期待は空振りに終わる。その後、待てど暮らせど井上組長は現れず、撤収を余儀なくされる。

 その後の取材で、実は井上組長は一部の直参とともに、告別式前日の10日に福岡入りしていたことが判明した。同じく弔問に訪れた地元関係者によれば、

「告別式には井上組長ら20名前後の神戸山口組関係者が参列していた。式の祭壇には、組織名や肩書のない、個人名の供花が配置されていたな。井上組長らは、告別式後の骨上げにも参加したと聞いている」

 元満組織委員長は五代目山健組の独立時、神戸山口組に残った数少ない「元山健組」勢の1人で、独立騒動の直後に神戸山口組直参に昇格、22年から現職に就いていた。

「井上組長は中野会の出身で、元満組織委員長率いる安部組も、元は中野会傘下にありました。それだけに2人の絆は深かった。加えて元満組織委員長は六代目山口組からの攻撃にさらされ続けた神戸山口組において、最後まで抵抗を見せた武闘派組長でもあります」(ジャーナリスト)

 22年8月には、安部組事務所への車両特攻、自宅前での車両放火など、元満組織委員長をターゲットとした抗争事件が相次いで勃発。これに対し同年9月、安部組組員が、福岡県下の六代目山口組系組長の自宅車庫に車両特攻を敢行している。

「1人になっても戦う」と折れない意思を掲げる井上組長は、いわば盟友であり忠臣であった元満組織委員長の霊前で、どんなことを報告したのだろうか─。

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