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Posted on 2025年11月23日 09:30

AT&電動化時代にホンダがあえて出す「6速MT車」N-ONE RSは「軽版NSX」だ!MT特有の振動を利用した「サウンドチューニング」

2025年11月23日 09:30

 AT全盛の時代に、ホンダがあえて逆方向へ切り込んできた。2025年11月の一部改良で、軽自動車「N-ONE」のスポーツグレード「RS」が6速MT専用へと生まれ変わったのだ。

 今、日本における新車のほとんどはATだ。免許を取る人の多くも、MTのクラッチを踏んだことがない。それでもホンダはあえて、3ペダルを残す道を選んだ。N-ONE RSは軽自動車の中で数少ない「自分で操るクルマ」として、特別な存在になった。

 アクセルを踏み、クラッチをつないでいくと、64馬力の小さなターボが元気よく目を覚ます。軽自動車らしい愛嬌のある音かと思いきや、ホンダはここに手を加えていた。MT特有の振動を利用し、周波数を分散させるサウンドチューニングを施したのだ。
 結果として耳に残るのは雑味ではなく、どこか懐かしいスポーティーな響き。ユーザーの中には「初代NSXのようだ」と語る人もいる。もちろん大げさな比喩ではあるが、「軽版NSX」と呼びたくなる気持ちは理解できる。

 外観こそ軽自動車サイズだが、雰囲気は別物だ。ホワイトの15インチアルミ、控えめに張り出したスポイラー、カーボン調インパネとレッドステッチのシートに包まれると、この車をただの軽と呼ぶ気持ちは消えていく。シフトノブを握り1速へ放り込むと、運転が単なる移動手段だったことを忘れさせる。

 対照的なのが、新しく設定された「CRAFT STYLE」だ。北欧の暮らしを思わせる柔らかな色使い、ウッド調インパネ、ホワイトのハンドルやミラー。こちらはハンドメイド家具のような温かさをまとった1台で、同じN-ONEなのに、世界観がまるで違う。スポーティーさを突き詰めたRSと、暮らしに寄り添うCRAFT STYLE。まるで方向性が異なる世界観を同じN-ONEで展開できるあたりに、ホンダの懐の深さが見える。

 アクセサリーには、往年のクルマ好きが泣いて喜ぶ「反転TURB」ステッカーがラインアップされている。N360やシティターボが活躍したあの頃の空気を感じさせるアイテムだ。「これは刺さる」「平成のスポーツシーンがよみがえる」と反応するユーザーは多く、コンパクトなN-ONEに往年のロゴが想像以上の存在感を与えてくれる。

 電動化や自動運転技術が進み、クルマの世界はどんどん便利になっている。そんな流れの中で、ホンダはこの小さな軽自動車に「走る楽しさ」をしっかり詰め込んできた。価格は227万8100円から。数字だけを見ると普通の軽自動車に思えるが、ハンドルを握ればその印象は一変するだろう。

 N-ONE RSは、ただMTを残しただけのモデルではない。運転そのものの楽しさ、忘れかけていたクルマと向き合う感覚を呼び戻してくれる一台なのだ。

(ケン高田)

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