スポーツ
Posted on 2025年12月12日 11:30

補強終了の広島カープが挑む「阪神タイガースの育成+勝利」チーム作りは成功するか

2025年12月12日 11:30

 広島カープが今オフの補強を事実上、打ち切る方針を固めた。現役ドラフトでは大道温貴を放出し、楽天から辰見鴻之介を獲得。さらにマリナーズ傘下3Aのフレディ・ターノック投手を契約金50万ドル(約7800万円)、年俸100万ドル(約1億5600万円)で迎え入れたが、助っ人野手の追加補強は見送られる見通しとなった。その背景にあるのは、新井貴浩監督が示す「若い選手を使いたい」という明確な育成方針だ。

 現時点での支配下登録は66人。残留交渉中のテーラー・ハーンと再契約すれば67人となり、2026年シーズンはこの人数で開幕する可能性が高い。枠の空け方としては一般的だが、ここ数年は前田健太の復帰を想定して支配下枠をひとつ空けていたため、その必要がなくなる来季は、久しぶりに余裕のある編成でスタートできる。育成選手の支配下昇格は数人程度が見込まれており、内部競争を高める狙いは明確だ。

 とはいえ、育成に重心を置くチーム作りが簡単ではないことは、今季優勝した阪神の歩みを見ても分かる。外からは生え抜きが順調に育っているように見えるが、実際には若手が1軍に定着するまでには時間も試行錯誤も必要。森下翔太のように、壁を乗り越えながら力をつけた例が象徴的だ。それでも村上頌樹らが台頭し、ドラフトで獲得した選手が着実に力をつけたことで、チーム全体が底上げされた。
 
 広島がこのレベルを目指すのは当然だが、現状では戦力の厚みに大きな開きがある。田村俊介や二俣翔一らに可能性は感じられるものの、年間を通じて1軍で計算できる存在になるにはもう少し時間が必要だ。投手陣も先発、中継ぎともに世代交代の途中にあり、若手をどこまで戦力化できるかが上位進出の鍵を握る。

 新外国人の追加獲得が見送られたことで、来季は実質的に助っ人4人体制でスタートする見通しだ。他球団の多くが1軍で同時に使える外国人5枠をフル活用する中、広島はあえて1枠を空けたまま臨む。
 補強ではなく育成に軸足を置いた以上、新井監督のチーム運営は、選手個々の成長がそのまま順位を左右する1年となりそうだ。

(ケン高田)

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