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記事全文を読む→分裂抗争“終結宣言”後も続く「山口組 VS 警察権力」(1)六代目山口組の直参に無罪判決
「抗争終結宣言」後、分裂に起因する血なまぐさい暴力事件は鳴りを潜めても、六代目山口組やその敵対勢力に対する当局の警戒度は下がってはいない。それは現在も各組織に司法闘争を控える大幹部が存在することからも明らかだ。密着取材を続ける本誌だからこそ書ける警察とヤクザの熾烈攻防の真相を以下─。
六代目山口組(司忍組長)にとって重要行事である「事始め」を前にした12月12日、直参の二代目兼一会・植野雄仁会長の姿は大阪地裁503号法廷の被告人席にあった。植野会長は24年6月、大阪市内のマンションを活動拠点とする目的でヤクザであることを隠して賃貸契約したとして逮捕。その植野会長が詐欺罪に問われた裁判がこの日、判決を迎えた。結果は「無罪」である。
「検察側は植野会長に対し、大阪市内のマンション2室を、組員の待機場所及び仮の事務所として使用したとしていました。確かにマンションは兼一会本部からは非常に近い立地で、警察の家宅捜索でも防弾チョッキや代紋の入ったバッジなどが押収されましたが、当局の特定抗争指定を受けて使用禁止になった本部の荷物を移しただけだと認められたうえ、いずれの部屋も1Kと狭く、裁判長は『事務所として使用することは考えにくい』と断言。契約時に名義を貸したとして、ともに起訴されていた男性との共謀も認められないことから『犯罪の証明がない』と検察の主張を退けたのです」(社会部記者)
この無罪は、かねてより分裂を山口組弱体化の好機と捉えてきた警察や司法当局の姿勢を改めて浮き彫りにしたと言えよう。すなわち、なかば無理筋な逮捕であっても、強引に起訴まで進めて有力組長を社会不在に追い込む。流血の惨事を引き起こしたわけでもない植野組長の一件でも、これほど強引なのだから、世間を揺るがした抗争事件となれば権力はことさら強硬になる。
その最たる例が六代目山口組・中田浩司若頭補佐(五代目山健組組長)の裁判だろう。
中田若頭補佐は、19年8月に神戸市内で発生した弘道会系組員銃撃事件の実行犯として殺人未遂などに問われ、一審で無罪となった。が、検察側が控訴。早ければ来春にも大阪高裁で「第2ラウンド」が始まる見込みだ。
一審で検察側は、犯行現場から市内各所の防犯カメラ映像をつなぎ合わせた実行犯の足取りをもとに、「実行犯=中田若頭補佐」だと主張。しかし、犯行に使用した拳銃などの直接証拠は一切提出されなかった。山口組事情に詳しいジャーナリストが言う。
「公判で実行犯と見られる男の映像を分析した検察側の鑑定人は『心証として(中田被告に)80パーセント一致』と証言しましたが、確証には至りませんでした。また検察は、実行犯が最終的に中田組長の自宅へと戻ったと主張しましたが、多くの組員が出入りする自宅であることから、映像に残る実行犯と中田若頭補佐は『別人である可能性は否定できない』と判断されたのです」
だが判決文で「実行犯の可能性は高い」と留保が示されている事実は重く、控訴審で検察側が新証拠を提出し、沽券にかけて無罪を覆すべく徹底抗戦すると言われている。
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