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記事全文を読む→気になる著者に直撃!〈楠木新〉「本当の老後」は70代から。積極的に人とつながろう!
「定年後、その後」
プレジデント社/1430円
老後には、60代の定年後と、その後の70代以降という2つの局面がある──。25万部を超えるベストセラー『定年後』から8年。作家の楠木新氏が、人生の後半生を有意義に生きる方法を伝授する。
本書のタイトル『定年後、その後』に込めた意味を楠木氏が解説する。
「60代は会社を辞めてもまだ現役の雰囲気を身にまとっています。しかし、70代になれば現役時代はもはや遠い過去になり、役職や肩書を持たない個人で生きていかなければなりません。今は『定年後=老後』ではなく、『定年後』と『定年後、その後』と分けて考えるべきです。本当の老後は70代から始まるのではないでしょうか」
執筆する動機には、自身の年齢も関係していた。
「私は今71歳ですが、『定年後』を書いた60代前半に比べて、病気にもなり体力の低下も痛感。老いが本格的に始まることを実感したのです。ちょうど会社員時代のつきあいが激減したのもこの頃です。そこで70歳以上の人の暮らしについて取材を始めました」
会社員時代から執筆を始め、現在まで取材した人数は「数えきれない」という。その膨大な情報を基に、楠木氏は「5つの寿命」を提言する。
① ホントの寿命(何歳まで生きられるか)
② 健康寿命(健康問題で日常生活が制限されない)
③ 労働寿命(何歳まで働けるか)
④ 資産寿命(蓄えた財産が尽きるまで)
⑤ 人間関係寿命(人とのつながり)
この5つの寿命をうまくコントロールすることが大切で、中でも「人間関係寿命」がポイントだという。
「人とのつながりが減ることは老いを加速させます。会社員時代のつながりは定年後に減少しますから、それに代わる人間関係を再構築する必要があります。現役時代の濃密な人間関係ではなく、井戸端会議みたいな弱い関係がいい。例えば、公民館での様々な趣味のサークルに参加したり、近場での地域活動やボランティア活動もオススメです」
楠木氏自身も新たな世界に踏み出している。子供の頃から憧れていた漫談にチャレンジし、なんと「R-1グランプリ」の舞台にも立った。
「寄席や劇場の多かった神戸新開地で生まれ育ったので、芸人さんに憧れがありました。そこで漫談のネタを考えてR-1に挑戦しましたが1回戦で敗退。しかしそれを契機に、地元の落語の定席・喜楽館の公式サイトで落語家さんへのインタビューを連載する機会をいただきました。今や私の『定年後、その後』の暮らしの中心になっています」
新しいことを始めたいと思っても、経済的な不安などで第一歩を踏み出せない人も少なくないだろう。
「お金の問題は、自分の財産や収支を管理できているかどうかがポイントです。たとえ収入が少なくても、うまく管理できている人は無用なお金の不安を抱かないものです。本書の巻末にある『財産増減一括表』を活用してください。あと、定年後は外見で判断されることが多くなります。清潔感のある服装で、ご機嫌で“いい顔”をしている人には、運やツキが回ってきやすいと感じています」
〈黒川壱郎〉
楠木新(くすのき・あらた)1954年神戸市生まれ。79年京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。在職中から取材・執筆活動に取り組み、多数の著書を出版する。15年、定年退職。18年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務めた。
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