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記事全文を読む→「NTTドコモが繋がらない!」営業利益急減を招いた「基地局が少ない」と墓穴を掘った「2年後に下取り」低額払いサービス
「電波さえ繋がれば、それでいい」
そんなシンプルな本音を持つスマートフォンユーザーは少なくないことだろう。しかしその最低限の期待に応えられなくなった時、信頼は足元から崩れていく。かつて「携帯電話といえばドコモ」と栄華を誇った時代を知る人には、今の状況が信じられないのではないか。
2025年度第3四半期の決算で、NTTドコモの端末購入プログラムによる機器収入が882億円も減少した。売上高全体で見れば、スマートライフ事業や法人向けサービスが補填する形で、前年比増を維持している。
だが肝心のモバイル通信サービス収入も別途256億円の減収となり、営業利益は直近2期連続で落ち込んでいる。2024年度通期でかろうじて1兆円台を維持した営業利益は、2025年度通期では8830億円の見込みに下方修正され、1兆円の大台を初めて割り込む見通しだ。売上は増えているのに利益が減り続けるという、経営者が最も恐れるパターンに入り込んでいる。
なぜこうなったのか。理由のひとつに「いつでもカエドキプログラム」と呼ばれる端末購入プランがある。
高額化するスマートフォンを実質、半額近くで使えるというフレコミで、確かにユーザーには魅力的に映る。仕組みはシンプルで、2年後の下取り価格をあらかじめ設定しておき、残額だけを分割払いにする。毎月の負担が大幅に下がる代わりに、一定期間内に乗り換えれば、残債はチャラになる。
問題はここからだ。このプランを使えば安く端末を持てると同時に、2年ごとに乗り換えるインセンティブが生まれる。通信品質に不満を持つユーザーであれば、乗り換え先にドコモを選ぶ理由はない。
つまりドコモは自ら、他社への乗り換えを後押しする仕組みを作ってしまったことになる。決算会見で経営陣が口にした「想定以上に端末が返却されている」という言葉は、自ら仕掛けた罠にハマッた末の嘆きにも聞こえるのだ。
さらに根深いのが、長期ユーザーの扱いだ。新規加入者や乗り換えユーザーに手厚いキャッシュバックや割引を用意する一方、何年も使い続けている既存ユーザーには目に見える恩恵がほとんどない。「面倒くさいから替えていない」というのが、長期ユーザーの正直な心理だろう。スイッチングコストに守られているうちはいいが、そのコストが下がった瞬間、一気に離脱が加速する。
通信品質の問題も無視できない。5G基地局の数はKDDIとソフトバンクが10万局を超えているが、ドコモはおよそ6万局。特定のエリアで繋がりにくいという声は根強い。
5Gエリア展開でSub6にこだわるあまり、4G転用への対応が遅れたことが品質問題の一因とされており、ドコモ自身もその遅れを認め、現在は基地局の整備に急ピッチで取り組んでいる。原因が何であれ、ユーザーの体感が「繋がりにくい」である限り、言い訳は難しいだろう。
売上減を広告宣伝で取り返そうとすれば、さらに利益を圧迫する。新サービスを次々と打ち出しても、土台となる通信品質への不満が解消されなければ、砂上の楼閣だ。銀行業への参入も、DAZNとのセット販売も、「電波が繋がらない」というひと言の前には霞むのだ。
ビジネスの教科書的な話をするならば、既存の顧客を大切にし、本業の品質を磨くことが全ての基本だろう。かつての王者ドコモが今まさに突きつけられている問題は、そのあまりにも古典的な姿勢である。
(ケン高田)
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