社会
Posted on 2026年04月11日 08:30

【自転車ルールのトラップ】車道を走行⇒青信号で進入⇒警察官が「信号無視だから反則金6000円ね」いったいどういうことか

2026年04月11日 08:30

 車道を走れ、と言われたから車道を走った。前方の信号は青。そのまま交差点に進入したら、後ろから警察官に止められた。信号無視だという。
 何のことかわからず横を見ると、歩行者用信号に小さなプレートがブラ下がっている。「歩行者・自転車専用」。そっちは赤だった。こうした状況を「信号トラップ」と呼ぶ声が、じわじわ広がっている。

 車両用の信号が青で、歩行者・自転車専用の信号は赤。このズレに気づかず交差点を通過すれば、信号無視になる。
 自転車は軽車両だから原則的に車道を走り、車道走行中は車両用信号に従う。ここまでは理解している人が多いだろう。だが、例外がある。歩行者用信号に「歩行者・自転車専用」のプレートが付いている交差点では、車道を走っていても、そちらに従わなければならない。道路交通法の規定であり、警視庁のルールページにも明記されている。
 知らなかったでは済まないが、では知っている人がどれだけいるのか。

 厄介なのは、このプレートの存在感だろう。歩行者用信号の上部や横に小さく掲げられた標示板は、車道を走る自転車の目線からは、かなり見づらい。しかも交差点ごとに付いていたり、いなかったりする。

 実は現在、自転車横断帯の撤去に伴い、このプレートの見直しが進んでいる。兵庫県警は自転車横断帯の撤去方針を公式に示しており、福島県警の文書では「歩行者・自転車専用」標示板の原則撤去が明記されている。

 警察庁通達でも同様の見直し方針が示されているとされるが、撤去の進み具合は全国一律ではない。都道府県ごと、交差点ごとに状況が違う。撤去済みの交差点に慣れた感覚のまま走っていると、プレートが残る交差点でも同じように通過してしまう。本人に違反の自覚はないが、ルール上は信号無視になる。この混在こそが「トラップ」だと感じる人が出てくる最大の原因ではないか。

プレートが残る交差点が取り締まりしやすいポイントに…

 4月1日から始まった自転車の青切符制度では113種類の違反が反則金の対象になり、信号無視は6000円。これまでは指導警告で済んでいたケースでも、現場で即青切符という運用がありうる。
 制度自体は自転車事故を減らすための措置であり、主旨に異を唱えるつもりはない。ただ、プレートが残っている交差点が取り締まりのしやすいポイントになりうる、という構図が、どうしても透けて見えてくる。

 整理しておくと、プレート撤去の全国的な進捗は、現時点で警察庁から一覧として公表されていない。各都道府県警が個別に進めている状況であり、統一的な管理がなされているかどうかも確認できなかった。ある交差点にプレートがあるかないかは結局、その場で自分の目で確かめるしかないのが実情である。

 制度としては筋が通っているにしても、車道の信号が青なのに止められて6000円だと言われた時、「プレートを見落とした自分が悪い」と即座に納得できる人は、そう多くないだろう。正しいルールであっても、現場では違う景色に見えることがある。トラップのように感じてしまう人が出るのは、無理からぬ話ではないか。

(ケン高田)

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