政治
Posted on 2026年05月01日 11:15

茨城県神栖市の「珍騒動」市長選挙「同数⇒くじ引き⇒NG⇒逆転」で「まんじゅうやは適法かどうか」がなんと裁判に!

2026年05月01日 11:15

 どこの国の騒動かと思いきや、21世紀の日本の自治体の長を決める選挙の話だった。
 開票で同数となり、くじ引きで決まった当落の結果に納得のいかない候補が県に採決を委ねた結果、「まんじゅうや、はダメ」と判断がひっくり返ったのだから、地元は上を下への大騒ぎなのである。「まんじゅうや」とは何か。それはのちほど説明しよう。

 珍妙な争いが繰り広げられているのは、茨城県の太平洋岸の南端、人口9万3000人の神栖市だ。隣接する鹿嶋市にはJリーグ鹿島アントラーズの本拠地があり、神栖市もアントラーズのホームタウンとして知られる。

 その神栖市の市長選挙が行われたのは、昨年11月。現職の石田進氏に新人の元市議・木内敏之氏が挑む形で、市を二分しての激しい選挙戦となる。開票の結果、ともに1万6724票とまさかの同数で、決着は公選法95条第2項に従い、くじ引きとなった。
「当選を引き当てたのが木内氏。しかし今どき、くじ引きとはね…。サッカーのPK戦の方が、はるかに公平性がありますよ。案の定、敗れた石田氏は納得がいかず、再度の票の点検を市選管に申し入れました」(地元市議)
 しかし、再点検でも票数は変わらず。それでも石田氏陣営は納得できず、今度は県選管に判断を委ねたのである。

 そこで飛び出したのが「まんじゅうや」と「だんごや」だった。実は木内氏の実家は、江戸時代から続くまんじゅう製造業を営み、地域では広く「まんじゅうやとして知られていた。そのため神栖市選管は「まんじゅうや」を木内氏の一票として数えていた。
 しかし県選管では、氏名以外の記載をノーとしたことで、逆に木内氏の票がマイナス2、また石田氏の票にも不必要な記載があったとして、マイナス1。そして県選管が下した結論は「神栖市長選は同数ではなく、石田氏が木内氏を1票上回る」。逆転の結末となったのである。

くじ引き決着選挙はそれなりに受け入れられてきた

 当然ながら木内氏は「私を神栖でまんじゅう屋と呼ばない人はいない」とし、県裁決を不服として東京高等裁判所に提訴の構えだ。選挙アナリストが言う。
「くじ引きから、ついには『まんじゅうやが適法かどうか』と、言っちゃ悪いが、まるで落語のような騒動。もっとも、くじ引き決着選挙はなにも神栖だけではありません。2010年の青森県大鰐町長選や東京の渋谷区議選など、各所で見受けられ、それなりに受け入れられてきました。大事な当落をくじ引きに頼らない、もっといい方法はないのかという声はありますが、これが今は最善の方法のようです。ミャンマーのような怪しげな選挙でなく、くじ引きでも公平性が保たれている日本の民主主義は、まっとうなのかもしれません」

 一方で選挙アナリストは、こうも指摘するのだ。
「選挙においてくじ引きよりも懸念されるのは、ネットでのありかたでしょう。一部報道で、高市早苗総理陣営が、総裁選や先の衆院選で相手や野党を中傷する動画を流していたのではないか、という疑惑が出ています。さらにはロシアや北朝鮮が対立国の選挙を混乱させるため、大量のフェイク情報を流す疑惑も取り沙汰されている。これまではフェイク動画は見分けられましたが、AIの発達で巧妙になり、地方選挙の結果にも波及しかねない。そうなると『まんじゅうや』騒動どころか、地方は大混乱。ひいては日本の国力にも影響することに」

 こうした点を踏まえ、公平な選挙をどう維持できるかを、改めて考えるタイミングなのかもしれない。
 いずれにしても神栖市長選挙、高裁が「まんじゅうや」をどう裁くかが、今後の大きな焦点となる。

(田村建光)

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