政治
Posted on 2026年05月20日 11:30

自民党がブチ上げた「ストーカーにGPS付き電子足輪」やったらどうなるか…先駆者・韓国が抱える問題「破壊行為と異常検知警報」

2026年05月20日 11:30

 ついに性犯罪者やストーカー加害者に「電子足輪」が装着されることになるのか。
 自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会が5月19日、ストーカー対策として、加害者に対し「GPS端末装着」という劇薬を盛り込んだ提言案をまとめた。

 先駆者である韓国では、ストーカー行為を規制する法律を2021年10月に施行。ところが翌2022年9月、首都ソウルの地下鉄内で女性がストーカーの男に殺害される事件が発生し、その後、法改正された。
 現在は司法が再発のおそれがあると認めた場合、判決前でも被告にGPS付きの足輪を着用させる「暫定措置」をとることが可能になった。

「電子足輪を装着させ、法務省傘下の管制センターが24時間体制で監視したことで、再犯率は激減したというデータがあり、韓国国民はこの『デジタルの檻』を、守られるべき人権のための当然の対価と捉えているようです」(外信部記者)

 ではこのシステムをそのまま、日本に持ち込めるのだろうか。というのも、公共の場で足首に巻かれたゴツい装置を晒して歩く姿は見せしめに近く、人権侵害が声高に叫ばれるのは必至。それ以上に深刻なのは、技術的な危うさだ。

ストーカーのカウンセリング率はたった5%

「韓国では加害者らによる破壊や異常検知警報が、一日に数千件にのぼっているとされます。地下鉄や高層ビルが入り乱れる日本の都市部でも、トラブルは避けられないでしょう。もし通信障害等で加害者が被害者のすぐ傍まで近づいているのに警報が鳴らなかったら、誰が責任を取るのか。システム盲信により、取り締まる警察側にも『GPSがあるから大丈夫』という油断が生まれ、犯罪を悪質化させる懸念も拭えない。韓国で一定効果が出たとしても、日本でもそうなるかは未知数なんです(前出・外信部記者)

 永田町では今回の提言について、自民党が国民の不安に寄り添う姿を見せるための「支持率回復のポーズ」ではないか、との声が少なくないが、
「現状、日本でストーカー行為に及んだ人物のカウンセリング率は、たった5%。これは絶望的な数字です。なぜ日本のストーカーは更生プログラムを拒むのか。そこには 『自分は悪くない』と信じ込む、ストーカー特有の心理構造があるからです。そんな彼らを、はたしてGPSという物理的機能だけで対応することはできるのか。根本的な解決を先送りしているのではないか、との指摘もあります」(犯罪ジャーナリスト)

 支持率回復のため、「やっている感」を演出する自民党だが、GPS導入にはシステムの構築の前に、監視社会化=人権侵害というパンドラの箱が横たわる。政府は本気でこの箱を開ける覚悟はあるのか。

(灯倫太郎)

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