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記事全文を読む→反則金9000円「信号のない横断歩道に歩行者」何%の車が無視して走り抜けるか…都道府県別「違反度ランキング」
住宅街の四つ角、信号のない横断歩道に、ランドセルを背負った小学生が立っている。あるいは杖をついた老人が、こちらをチラッと見て足を止めている。そんな場面で、あなたの車はちゃんと止まっているだろうか。
正直に思い返してほしい。「後ろの車に追突されたら困る」「向こうが先に渡るそぶりを見せれば止まる」…そんな理屈で、なんとなく通り過ぎてしまった経験は、誰にでも一度や二度はあるはずだ。
そんなドライバーの本音を数字で容赦なくあぶり出したのが、JAF(日本自動車連盟)の2025年調査である。信号機のない横断歩道を通過する自家用車など6226台のうち、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止したのは3528台、停止率は56.7%だ。
前年から3.7ポイント上昇し、調査開始以来この10年で最も高い数値だったという。それでも歩行者の前できちんとブレーキを踏むドライバーが、ようやく半分を超えただけ。裏を返せば、まだ約4割の車は止まっていない。
そして本題はここからである。都道府県別の一覧を見ると、地元民が薄々感じていた違和感が、一気に可視化される。
最も停止率が高いのは長野県で88.2%。次いで岐阜78.0%、福岡77.7%。下位グループには山口34.3%、大阪35.5%、福井35.8%、沖縄36.9%が並ぶ。
首都圏に目を移すと、東京44.2%、千葉48.4%と、いずれも全国平均を下回っている。
ここで確認しておきたいのは、横断歩道での一時停止はマナーの話ではなく、道路交通法上の義務であること。歩行者が横断中、または横断しようとしている場合、車は一時停止して道を譲らなければならない。違反すれば「横断歩行者等妨害等」となり、普通車の反則金は9000円、違反点数2点が科される。点数と反則金だけ見れば、赤信号無視と同じ水準だ。「気づかなかった」では済まされないのである。
あるいは、こんなケースもある。
「横断歩道で止まった車の後ろから追い越して、歩行者をはねるケースもあり、ルールが徹底されていません」(交通ジャーナリスト)
「県民性」では片付けられない「長野と山口の違い」
同じ道路交通法の下で、長野では9割近い車が止まり、山口や大阪では3台のうち1台ちょっと。この落差を「県民性」のひと言で片付けるのは無理がある。交通量や道路の広さ、都市部特有のせわしなさ、歩行者側が渡る意思を示すかどうか、警察や学校の交通安全教育、地域ぐるみの啓発の差まで、様々な要因が絡んでいるとみるのが妥当だろう。
ただし、長野の数字には別の重みがある。長野は調査開始から10年連続で全国1位を守り続けており、地元の報道では、子供の頃からの交通安全教育や、県警が進める「横断歩道ルール・マナーアッププロジェクト」の影響が指摘されている。県と県警、JAF長野支部が年間を通じて続けてきた啓発の積み重ねが、ドライバーの意識に届いているのだろう。
ここで「うちの県は何位だ」とランキングを眺めて一喜一憂するのも一興だが、本当に問われているのはそこではない。今日あなたが通った住宅街のあの横断歩道で、自分の車がちゃんと止まったかどうか。9000円の反則金より、子供と目が合った瞬間の気まずさの方が、よほどあとを引く。
(ケン高田)
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