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記事全文を読む→車のドアバイザー「いる派VSいらない派」の議論が複雑化する「超機能&高機能化」「スマホアプリで代替技術」
車の「ドアバイザー」はいるのか、いらないのか。この議論は何年経っても終わらない。かつては新車を買えば、当たり前のように付ける人が多かったが、最近は必要性や見た目を理由に、あえて装着しない人がいる。
一方で、雨の日の換気や夏の猛暑対策、燃料代の節約意識から、ドアバイザーを見直す動きも出ている。
ドアバイザーはサイドウインドウ上部に付く、雨よけパーツだ。雨の日でも窓を少し開けられるため、換気がしやすくなる。エアコンの性能が今ほど高くなく、喫煙者が多かった時代には重宝された存在だ。
「いる派」の主張は明快だ。雨の日でも窓を開けられる。車内の曇りやニオイを逃がしやすい。夏場の駐車時に少し窓を開けておけば、熱気を逃がす助けになる。エアコンを少し控えたい時にも使える。
「いらない派」の主張も根強い。見た目が野暮ったい。洗車機にかけにくい。バイザー周辺に汚れがたまりやすい。高速走行では風切り音が気になる。空気抵抗が増える気がして、敬遠する人もいる。
こうして評価が分かれたまま使われ続けてきたパーツだが、ここ数年は雨よけの範囲を超える動きが出てきた。
ホンダの環境素材を見てみよう。昨年9月12日、ホンダアクセスはN-ONE e:用純正アクセサリーとして、三菱ケミカルと共同開発したリサイクルアクリル樹脂のドアバイザーを発売した。
使用済み自動車から回収したアクリル樹脂を再生し、CO2排出量削減と環境負荷低減を狙ったもので、自動車用品業界で初めてサステナブルマテリアルを採用したドアバイザーだという。雨よけパーツが、環境対応パーツへ変わった例だ。
高機能化も進む。トヨタ系TRDのGRスポーツサイドバイザーはフィン形状で、操縦安定性と換気性能を高めると謳う。マツダ系AutoExeは走行風の負圧で車内の空気を排出し、ファミリーやペット愛好家にも勧めたい実用品としている。
遠隔操作で「乗る前エアコン」車内環境整備が可能に
一方で、バイザーの役割自体を置き換える技術が登場した。テスラは車内温度が一定のしきい値を超えると、駐車中でも自動でファンやエアコンを作動させて過熱を抑える、キャビン過熱保護機能を装備している。アプリからは、出発前に車内を整えるスケジュール機能や、窓を少し下げて換気するウインドウベンティング機能も使える。
似た発想は他メーカーにも広がっており、BMWはMy BMWアプリを通じ、車種や装備に応じてエアコンやヒーター、換気を遠隔操作できる。ガソリン車ではリモート・エンジン・スタート、EVやPHEVではリモート空調という形で、乗車前に車内を整える機能が広がっている。
日産もリーフやサクラ、アリアなどのEV向けに、出発時刻に合わせてエアコンを自動で作動させる「乗る前エアコン」を用意している。窓を開けて熱気を逃がす発想が、スマホからの遠隔操作に置き換わりつつあるわけだ。
結局、ドアバイザーの価値は「窓を少し開けたいかどうか」という、昔からのシンプルな一点に尽きる。変わったのは、その欲求を満たす手段がひとつではなくなったことだ。
今は素材や設計で進化したバイザーを選ぶ道も、車そのものの装備に任せる道もある。新車のディーラーオプションでバイザーを付けるか迷ったら、まずは自分の車の空調や換気がどこまで賄ってくれるのかを確かめてから決めればいい。
(ケン高田)
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