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記事全文を読む→「え、どうしてこの広告が」「まさか盗聴!?」と思ったらスマホの設定を確認すべき「アプリの権限」問題
同僚と昼飯を食べながら「そろそろドライバー替えたいな」と漏らしたその夜、スマホを開けば見計らったように、ゴルフクラブの広告が並ぶ。
妻と「久しぶりに熱海でも行くか」と話した翌朝、宿泊予約サイトのバナーが画面を埋める。
「まさか聞かれてるんじゃないか」
そう疑った経験のある人は、相当な数にのぼるはずだ。
落ち着いて事実を確認しておく。AppleはSiriのデータを広告やマーケティングプロフィールの作成に使っていないと公式に説明しており、第三者に売ったこともない、と繰り返し明言している。
GoogleもAssistantの音声録音については、既定ではサーバーに保存されず、広告利用とは切り分ける姿勢を示している。
ただし、ここから先がやや厄介で、設定次第で音声操作の「テキスト化された内容」を興味推定に使い、広告のパーソナライズに反映させる場合があると、自社のサポートページで認めている。「聞かれていない」と単純に片づけられる話ではないのだ。
それでも広告が「妙に当たる」主因は、マイクではない。検索履歴、閲覧したサイト、位置情報、アプリの利用時間、ネット通販の購入履歴、SNSでどの投稿に指を止めたか。これらが日々、淡々と積み上がっているのだ。
同僚にゴルフの話をする数日前、ニュースサイトでゴルフ記事をスクロールしていなかったか。妻と温泉の話をする前、検索窓に「箱根 散策」などと打ち込まなかったか。広告は心を読んでいるのではなく、過去のあなたから先回りしているのである。
問題は、その材料を渡した覚えがない、と本人だけが思い込んでいることだ。アプリをインストールした時、「カメラへのアクセスを許可しますか」「位置情報の使用を許可しますか」と聞かれて、ろくに読まずに「許可」を押した。一度許可した権限は、機種やOSの設定によっては、そのまま残り続ける。
最近のAndroidには、数カ月も使われていないアプリの権限を自動で外す仕組みがあるが、全てを任せきりにできるわけではない。
何年も前に一度だけ使ったクーポンアプリに、位置情報の権限が残っていることもある。自分では忘れていても、設定画面にはその痕跡が残っているのだ。
「なぜこれにマイクを許可した?」
防衛策は決して難しくはない。iPhoneなら「設定」から「プライバシーとセキュリティ」を開く。カメラ、マイク、位置情報、連絡先、写真、それぞれの項目をタップすれば、どのアプリにアクセスを許しているかが一覧で出てくる。
Androidも「設定」から「プライバシー」または「権限マネージャー」で同じことができる。並んだアプリ名を見て「なぜこれにマイクを許可した?」と首をかしげるものが必ず出てくる。そうした許可を、ためらわずオフにする。それだけでいい。
ついでにホーム画面をざっと眺めてみるといい。半年以上開いていないアプリ、何のために入れたか思い出せないアプリ、無料だからとりあえず落としたきり、放置しているアプリ。それらは権限だけを握ったまま、画面の隅で息をしている。使わないなら消せばいいのだ。
怖いのは盗聴ではなく、自分で開けっぱなしにした扉がいくつあるか、誰も数えていないことだ。今夜、設定画面を開いて、不要な許可をひとつずつ閉じていく。広告が完全に消えるとは限らないが、画面の向こう側に渡している情報は、確実に減ることだろう。
(ケン高田)
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