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記事全文を読む→知ってた?もうひとつのサッカーW杯…ドイツで開催「FIFIワイルドカップ」優勝国は「北キプロス」狂騒の祭典
連日、サッカー北中米W杯の熱戦が世間を沸かせているが、今からちょうど20年前の2006年ドイツW杯の期間中、その陰で「もうひとつのワールドカップ」が開催されていたのを知っている人はいるだろうか。
その名も「FIFIワイルドカップ」。国際サッカー連盟(FIFA)ではなく、独立サッカー連盟(FIFI)が主催した、国際社会から国家として承認されていない地域や、FIFA未加盟の「国」による前代未聞の大会である。
開催地となったドイツのハンブルクには北キプロス、グリーンランド、ザンジバル、さらにはチベット代表や「ザンクトパウリ共和国」なる風変わりなチームが集結。FIFAからの有形無形の圧力や、ビザ発給をめぐる政治的トラブルに見舞われながらも、ピッチ上では国家の威信をかけた、泥臭くも熱い激突が繰り広げられた。
スポーツライターが苦笑まじりに解説する。
「FIFIという名称はFIFAを露骨に意識して付けられたもので、事実上の主催者はハンブルクを本拠地とするサッカークラブ『FCザンクトパウリ』でした。2025-2026シーズンはブンデスリーガ最下位に終わり、来季の2部降格がすでに決定するなど、1部と2部と行き来するエレベータークラブですが、大会当時の2006年は3部リーグに所属と低迷。それでもドイツ屈指の熱狂的で反骨精神溢れるサポーターが多いことで知られ、彼らの情熱がこの奇跡の大会を動かしました」
興行的には完全に失敗だった「放映権料もスポンサー料も入らず」
ピッチに立つことすら政治に阻まれてきた戦士たちに表現の場を与えた大義は、草の根サッカーの底知れぬ情熱として爆発。しかし北キプロスが優勝したこの狂騒の祭典は、2006年の一度きりで歴史の闇へと消え去ることになる。いったいなぜか。
スポーツライターが続けて明かす。
「スタジアムには大勢の観客が押し寄せ、イベント自体は異様な盛り上がりを見せました。しかし、興行としては大赤字。FIFA主催のW杯のように天文学的な放映権料やスポンサー料が入るわけでもないのに、国際大会としての体裁を維持するための運営費だけは莫大にかかってしまった。結果として、興行的には完全に失敗だったのです」
利権も巨万の富もない。だが、そこには確かに、剥き出しの命のやり取りがあった。歴史のエアポケットに刻まれた幻の祭典は、20年後の今も色褪せない輝きを放っている…かもしれない。
(滝川与一)
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