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Posted on 2026年06月26日 07:00

【W杯こぼれ話】ハンガリー・イタリア・ルーマニア…世界最強から「サッカー没落国」になった悲哀史

2026年06月26日 07:00

 サッカー北中米W杯が決勝トーナメントに向けてヒートアップする中、世界のサッカー地図の変遷に思いを馳せると、あることに気付く。
 ここでスポットを当てたいのは、かつて世界を震撼させた強豪国でありながら、現在は見る影もなく低迷、あるいは本大会への出場すら逃してしまった「サッカー没落国」の歴史だ。

 その筆頭がイタリアとハンガリーである。イタリアは4度のW杯優勝を誇る超名門ながら、今大会を含めて3大会連続で予選敗退を喫している。かつて「カテナチオ」と世界中のサッカーファンを魅了した堅守速攻はもはや、見る影もない。

 1950年代に「マジック・マジャール」と恐れられ、1938年と1954年に準優勝したハンガリーは1934年、1962年、1966年にはベスト8入り。ところが現在はヨーロッパの中堅国に甘んじている。1986の大会がW杯の最期の出場で、FIFAランキングは39位だ。

 この両国が強豪国から没落した理由を、世界のフットボール事情に詳しいサッカージャーナリストは次のように分析する。
「国内リーグの地盤沈下や育成システムの機能不全といった、構造的問題があります。イタリアはセリエAの資金力低下と外国人依存、ハンガリーは当時の共産主義政権の崩壊に伴うスポーツ支援の縮小が、決定的な引き金となりました。政治や経済の地殻変動がそのまま、鉄の結束を誇った強豪の足元をすくったのです」

傑出した才能のカリスマ選手が引退すると…

 没落の哀愁を漂わせるのは、この2カ国だけではない。1990年代に3大会連続でW杯の決勝トーナメントに進出しながら、2002年の日韓大会以降は本大会から遠ざかっているルーマニアもそのひとつだ。

「ルーマニアの場合、かつてバルセロナなどで活躍し『東欧のマラドーナ』と謳われた天才司令塔ゲオルゲ・ハジの傑出した才能によるところが大きすぎました。彼の引退後、次世代のカリスマが育たなかったツケが今も続いています。ロシアもソ連時代の1958年から1970年大会までは、史上唯一GKでバロンドールを受賞した伝説の守護神ヤシンを擁し、4回連続で8強以上の実績を残しました。ヤシンの引退後は2018年の母国開催大会で8強と健闘したのを除けば、多くがグループリーグ敗退に終わっています」(サッカージャーナリスト)

 華やかなスターたちの競演の陰に隠れた、栄枯盛衰のドラマ。政治や経済、天才の有無に翻弄され、再び世界の頂点へと返り咲くために苦難の道を歩む没落国の歴史は、現在のW杯をより深く楽しむための、格好のテキストと言えそうだ。

(滝川与一)

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