政治
Posted on 2026年06月26日 11:00

「米トランプVS伊メローニ」大ゲンカ罵倒応酬に「親米伊」の高市早苗は何を学んだか

2026年06月26日 11:00

 超親密を保っていたアメリカのトランプ大統領とイタリアのメローニ首相が突然、激しく罵り合う。一枚の写真がきっかけだった。トランプ大統領はフランスで開催されたG7サミットでの「出来事」を、イタリアのテレビインタビューで、次のように明かしたのである。
 メローニ首相が自分とのツーショット写真を「懇願した」ので気の毒に思い、これに応じてやった、と。
 この発言に激怒したのがメローニ首相だ。

 メローニ首相は投稿動画で「捏造発言」と怒りをブチまけた。トランプ大統領もNBCニュースとのインタビューで猛反論。いわく、
「メロー二首相はホルムズ海峡問題に対処しなかった。彼女には私のファンになってほしくない」

 2人は親密さを猛アピールしていた仲、のはずだ。メローニ首相は「トランプ大統領がウクライナ紛争を終結させたなら、ノーベル平和賞に推薦する」と述べていた。トランプ大統領もメローニ首相を米欧の橋渡し役と期待、2025年の大統領就任式にはEU首脳で唯一、メローニ首相を招待したほどだ。
 この蜜月関係にヒビが入ることになった原因は、アメリカによるイラン爆撃だった。

 イタリアでは世論調査で、8割がイラン攻撃への懸念を表明。地中海を挟んだ近い距離で戦争に巻き込まれることを、国民が懸念しているのだった。
 イラン戦争でガソリン価格が高騰し、物価高を招いたことも非難の的になった。イタリア国民は親トランプのメローニ政権に、厳しい目を向けていた。
「来年はイタリアで総選挙が行われます。盤石だったメローニ政権の足元が揺らぎ出したことも、メローニ首相を反トランプに駆り立てています。反戦を説くローマ教皇レオ14世をトランプ大統領が批判したことも、反トランプの火が燃えた要因。メローニ首相はこの態度を非難するとともに、教皇の和平努力を称えました。これにトランプ大統領が激怒しています」(国際政治アナリスト)

 翻って、高市政権はどうか。
 日本とイタリアは今年、外交関係樹立160周年という節目を迎えた。これを機に1月に早速、メローニ首相が訪日、両国の関係を強化した。
 高市首相とメローニ首相は2025年のG20サミットで初対面。ともに女性首相で保守派のため意気投合し、メローニ首相の訪日が実現した。訪日の際、メローニ首相はツーショット写真と同時に、アニメ風加工を施したツーショット写真も投稿している。

「日米伊ゴールデントライアングル」は形だけ

 高市首相は6月のG7でフランスへ行く前にイタリアを訪問し、メローニ首相と絆を深めた。
「一方でトランプ大統領とも親密な仲を維持している。つまり世界はトランプ、高市、メローニをゴールデントライアングルと見ていたわけですが、その一角であるアメリカとイタリアに亀裂が入ったことになります」(外交評論家)

 そこで注視すべきは、高市首相がこの事態にどう振る舞うかだ。外交評論家が続ける。
「賢い高市首相は日米関係を保ちながら、イタリアともうまくやるでしょう。怖いのはトランプ大統領の行動です。イタリアの例でも分かるように、たとえ親密な関係であっても、自国の利益のためなら平気ではしごを外し、口汚く罵る。日本が難題を突き付けられた時、高市首相はメローニ首相のように毅然と対応できるのか…」

 前出の国際政治アナリストが指摘する。
「イタリアはアメリカ依存度が低いため、アメリカにノーと言える。日本は経済も安保もアメリカ依存が極めて高い。日米伊ゴールデントライアングルなど、形だけです。今回のメローニ首相の振る舞いを見て、改めて日米関係を再考する機会が訪れたといえます」

 高市首相はアメリカとイタリアの大ゲンカに何を学んだか。

(田村建光)

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