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Posted on 2026年07月02日 11:00

【森保W杯】ワイドショー喧伝「王者ブラジルを追い詰めた」は噴飯モノの大ウソ!監督の差が出た「攻撃放棄」采配

2026年07月02日 11:00

 弱いから負けた。ただ、それだけのことだ。
 サッカー北中米W杯、決勝トーナメント1回戦。日本×ブラジル戦は、前半29分に佐野海舟が得意のボール奪取からドリブルで運び、見事なシュートを決めて日本が先制した。
 ところが後半に入るとブラジルが一方的に攻める試合となり、56分にカゼミーロが同点ゴールを決めると、試合終了間際のアディショナルタイムに、ガブリエウ・マルティネッリの劇的なゴールで逆転勝ちを収めた。

 日本がサッカー王国ブラジルを追い詰めたように見えるが、ハッキリ言って監督の采配の差が出た試合だった。
 前半は日本が5-4-1のコンパクトなブロックを作って、ブラジルの中央から攻め対応をしていた。内容を見れば、日本の大金星の可能性は十分にあった。

 ところが後半、ブラジルはエンドリッキを投入し、中央寄りだったエースのヴィニシウスをウイングのポジションに移してサイドから攻めさせ、攻撃に幅を持たせた。日本の中央の守備が固いとみて、サイド攻撃からシンプルにクロスを上げてきた。
 日本はサイドを起点とされたことでマークにズレが生じ、ボールを持っている選手に対するプレスが遅れ、ボールを回されて疲弊していく。

 すると67分、疲れが見える両ウイングバックの堂安律と中村敬斗に代えて、菅原由勢と鈴木淳之介を投入。さらに78分には鎌田大地、伊東純也が退き、田中碧と町野修斗を起用する。だが、試合の流れを変えることはできなかった。押し込まれる時間が長くなり、カウンターを仕掛けるチャンスもなかった。

 森保一監督は鎌田、伊東、堂安、中村と攻撃力のある選手をスタメンで起用した。つまり、先制して逃げ切ろうと考えたのだろう。佐野の先制点でプラン通りの展開に持ち込めた。ところがブラジルのカルロ・アンチェロッティ監督が後半から修正し、一気にブラジルが主導権を握った。
 同点にされると、森保監督は先発した攻撃力のある選手に代えて、守備的な選手を投入した。伊東、堂安、中村の突破力や鎌田の攻撃を組み立てるセンスを捨ててまで、守りに入ったといえる。

 同点のまま延長戦を考え、延長戦でも偶然の事故で点が入れば勝てる。点が入らなくてもPK戦になれば、鈴木彩艶がいる。そんな感じの選手交代だ。どう見ても、攻撃を放棄したような采配だった。

後半だけでシュートはブラジル11本に日本は1本だけ

 一方のアンチェロッティは、監督として史上初のヨーロッパ5大リーグ制覇を達成、チャンピオンズリーグも5回制覇している名将だ。対戦相手から徹底的に分析されることなど、慣れている。
 前半は日本のプランにハマッてしまったが、後半はメンバーを代え、システムを変えただけで一気に流れを引き寄せ、日本にチャンスさえ与えなかった。

 現に後半だけのシュート数はブラジル11本に対し、日本はわずか1本。しかも決勝ゴールを決めたマルティネッリは65分に、今大会ここまで3ゴールを決めているマテウス・クーニャに代って入った選手。いかにアンチェロッティ監督の采配が当たったかを物語っている。

 これだけの差があった試合なのだが、テレビのワイドショーなどでは「あと一歩で敗れた日本代表」「王者ブラジルを追い詰めた」「負けたけど、優勝が見えた試合だった」とかポジティブなことしか言わない。
 冷静に分析すれば、優勝するチームのサッカーでも采配でもなかった。本気で優勝を目指すのであれば、対戦相手に分析されて、それをひっくり返すだけの采配とメンバーを揃えなければ難しい。

 結局、今回のW杯で日本が勝ったのはチュニジアだけ。それが現実だ。だからブラジル相手に「善戦」とか「惜敗」とかではない。力の差があったと正直に認めるべきだ。

(渡辺達也)
1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップ・アジア予選、アジアカップなど、数多くの大会を取材してきた。

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