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記事全文を読む→【一触即発の舞台裏】阪神・森下翔太に球審が詰め寄った「異様な光景」と「怒りの16ポーズ」
9月2日、神宮球場のヤクルト×阪神20回戦。6回一死、カウント2-2から外角のカーブがミットに収まると、深谷篤球審が阪神・森下翔太にストライクを宣告した。見逃し三振。
森下は判定直後に膝を折ると、不満そうな表情で深谷球審を振り返った。ここまでなら珍しくない光景だ。異様だったのはその直後である。ベンチへ戻ろうとする森下に深谷球審が詰め寄り、佐藤輝明がなだめるように間へ入った。退場処分こそ出なかったが、映像には一触即発の空気がはっきり映っていた。
試合後、深谷球審は「見ての通りですね。どういうやり取りがあったかは言えません」と語った。森下が態度や発言で判定への不服を示したことは認めたが、暴言は否定している。発言はあったが、暴言にはあたらなかった、と。ではなぜ球審は、選手との距離を詰めたのか。
森下は3カ月前にも、ストライク判定をめぐって審判と揉めている。6月6日の楽天戦で眞鍋勝已球審の判定に不満を示し、警告を受けた後に暴言を吐いて退場となった。翌日にはNPB(日本野球機構)から厳重注意と制裁金10万円を科されている。球審側がこの一件を意識していた可能性は否定できない。
一方で深谷球審には、同じ神宮で判定への不満が選手との直接対峙に発展した過去がある。2010年5月1日、ヤクルト×横浜戦。本塁のクロスプレーでアウトを宣告すると、三塁走者のヤクルト・藤本敦士が激高し、深谷球審の胸ぐらを摑んで退場となった。今回とは判定の種類が違うが、選手が球審と激突する騒動になったという点は同じだ。
ブーイングが吹き荒れるスタンドにユーモアを
森下は今季、12球団最多の16死球を受けている。判定への不満の根底に、そうした鬱積があったとしても不思議はない。退場処分を免れた後、森下はスタンドに向けて自分を指さし、両手で「16」を示してからマッスルポーズでおどけてみせた。ブーイングが吹き荒れるスタンドに向けて、怒りをユーモアに変えて共感を引き出した格好だ。これだけ死球を受け続ける打者がゾーンの判定に敏感になるのは、自然なことだろう。
大の虎党で知られる俳優の渡辺謙はこの日、Xを更新し、改めてABS(自動ボールストライク判定システム)の導入推進を求めた。ABSを使えばその場で判定を再確認でき、公平性が担保される。メジャーリーグでは2026年シーズンからこのチャレンジ制度が正式に導入されており、NPBも導入準備を進めている。
森下の態度と深谷球審の対応のどちらに非があったかは、映像だけでは断じられない。判定をその場で確かめる手段がない以上、数センチのコースの問題が人間同士の睨み合いに変わるリスクは、次の試合でも残り続ける。
(ケン高田)
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