芸能
Posted on 2026年09月20日 10:00

映像ディレクター・佐々木敦規の「お台場ハチャメチャ青春記」〈第4回〉(1)殺気立つバラエティーエリア

2026年09月20日 10:00

 およそ30年間にわたってフジテレビのゴールデンタイムを「みなさんのおかげです/でした」で席巻したとんねるず。超大物コンビと対峙できる外部ディレクターが求められる中、佐々木に白羽の矢が立つ。理論的な石橋貴明と、感性と発想の木梨憲武。両雄との仕事から何を得たのか─。

「『みなさんのおかげでした』に参加してもらえませんか?」

 プロデューサーからのオファーに佐々木敦規は「はい、お願いします」と即答しながらも、どこか信じられない気持ちでいた。

「その2年前にも前任のプロデューサーから『みなさん~』のオファーをいただいたんですけど実現しなかったんですよ」

 とんねるずは「とんねるずのみなさんのおかげです」(1988年~97年)と「とんねるずのみなさんのおかげでした」(97年~2018年)で高視聴率を記録し続け、フジテレビの木曜9時枠のゴールデンタイムに30年間君臨した。

「フジテレビ本社13階にバラエティー番組の制作スタッフを集めたバラエティーエリアがあって、その中でも『みなさん~』チームは敷居が高いというか。殺気立ったD(ディレクター)やAD(アシスタントディレクター)がロケの準備をしたり、徹夜続きでその辺に倒れ込んで寝てたり(苦笑)。近寄りがたい独特の空気があったんですよ」

 そこにはこんな事情も。

「『みなさん~』は局員が作る、という暗黙の了解がありました。フジテレビの社員か、フジのバラエティー班に籍を置いて制作会社から出向してるD。僕ら外部の制作会社のDは一切入れずに作っていたんです」

 プロデューサーには「そろそろ外部からDを入れて新しい風を」との意向もあって、佐々木に内々で打診があったのだが、03年、04年は話が進まず。プロデューサーが代わった05年になって、風向きが変わる。

「ようやく『外部スタッフを入れよう』となって、門戸開放した1発目の外部Dチームがマッコイ斎藤氏と僕と他に3、4名、バラエティー界では名の知れたDに声がかかったんです。(石橋)貴明さんと(木梨)憲武さんは大物なので、物怖じしたり、不安を与えるようなDでは務まらない。大物と向き合えてバラエティーの作り方もわかってて、『とんねるずと対峙できる外部のD』はそんなにいないんですよ。僕もそれまでとんねるずとの接点はなかったけど、プロデューサーが『新春かくし芸』のセンターフロアで収録全体を仕切ってる僕を見て、『この人なら』と思ってくれたみたいです」

佐々木敦規(ささき・あつのり)1967年生まれ。演出家・映像ディレクター。フィルムデザインワークス取締役。「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「IPPON GP」などのバラエティー、K-1やプロレスなど格闘技番組の演出を経て、ももクロのステージ演出を手掛ける。

取材・構成/茂田浩司(ライター&編集者)

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