芸能
Posted on 2026年09月06日 10:02

映像ディレクター・佐々木敦規の「お台場ハチャメチャ青春記」〈第3回〉(3)女子更衣室ない中で紀香は…

2026年09月06日 10:02

 佐々木が「もう一人の功労者」として挙げるのは、「初代格闘ビジュアルクイーン」の藤原紀香だ。

「田代さんに代わるタイミングでMCを刷新する考えもあった中で、紀香は残すべきだと僕は強く思っていました。K-1のメジャー化を見据えていたプロデューサーも同じ考えだったようで、紀香は継続でした」

 番組スタート当初、藤原は慣れないMCに苦戦。オープニングの数行のコメントを嚙んでしまい、何度も撮り直しになった。

 だが佐々木は、懸命に「求められた役割」をこなそうとする藤原の姿勢を高く評価していた。

「『空手道場に潜入取材』の際には、紀香には実際に空手を体験してもらいました。男性ばかりの道場だったので、女子更衣室はなく、女子トイレで着替えてもらって。空手着姿でトイレから出てきた彼女を見て、空手家たちは思わずどよめきましたよ(笑)」

 空手着の胸元は開け気味にしつつ、帯はしっかりと締めて、ボディラインがはっきりとわかる着方で現れたのだ。

 その格好で瓦割りや板割りに挑戦。藤原は未経験ながらも果敢にチャレンジし、成功すると「キャアッ!」と道場内に響き渡る歓声を上げて満面の笑みで喜び、収録を盛り上げた。

 藤原の華と明るさが「SRS」のバラエティー色に合致し、視聴率も上昇していった。

「その場で『自分に何が求められているのか』を瞬時に理解して、こちらが想定した以上に盛り上げてくれるんです。打ち合わせには必ず自分専用にメモ帳を持参して、スタッフと『この選手は前の試合で─』とこれまでの実績などを交えた会話をしながら、細かくメモを取ってた。そういう姿勢はスタッフに伝わるし、僕も彼女には全幅の信頼を置いていました」

 藤原は「SRS」でMCを務めながら、CMやドラマでもブレイクを果たす。番組は3年で卒業したが、K-1中継のメインキャスターは継続した。藤原がきらびやかなパーティードレス姿でリングサイドの解説席のセンターに座り、タキシード姿の男性アナや解説者らを傍らに従える画が、「フジテレビ格闘技中継」の定番となった。

佐々木敦規(ささき・あつのり)1967年生まれ。演出家・映像ディレクター。フィルムデザインワークス取締役。「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「IPPON GP」などのバラエティー、K-1やプロレスなど格闘技番組の演出を経て、ももクロのステージ演出を手掛ける。

取材・構成/茂田浩司(ライター&編集者)

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