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記事全文を読む→中国が高市首相に前言撤回のイチャモンをつけた国連憲章「旧敵国条項」削除反対…これでいったい何が起きるのか
国連憲章には、第二次世界大戦で連合国の敵だった国々を指す規定が今も残る。いわゆる「旧敵国条項」だ。日本の国名は書かれていないが、日本やドイツなどが対象にあたると理解されてきた。終戦から81年が経ってなお、条文は削除されないまま残っている。この条項が日中外交の焦点として、改めて浮かび上がったのだ。
きっかけは、高市早苗首相が現地時間9月22日の国連総会演説で、条項の削除を求めたことだ。翌23日、中国外務省の郭嘉昆報道官は、条項には「現在も重要な現実的意義がある」と反発した。ファシズムや軍国主義の再来を防ぐための取り決めであり、日本は憲章の全内容を受け入れて国連に加盟した、というのが中国側の言い分だ。中国外務省は8月以降の会見でも条項を持ち出しており、今回が初めてではない。
だが、中国も以前はこの条項を「時代遅れ」と認める決議に賛成している。1995年の国連総会で、旧敵国条項は時代遅れになったとする決議が賛成155、反対0、棄権3で採択された。これに中国は賛成票を投じている。
決議には将来、条文を削除するための改正手続きを始める意向が盛り込まれた。あれから31年。同じ国が「今も意義がある」と言う。その決議で削除が決まったわけではないが、中国は当時の賛成票をどう説明するのか。9月23日の会見では、1995年の決議にはいっさい触れていない。
条項が今も有効ならば、何が起きるのか。中国は安保理の許可なしに日本を攻撃できるのか、という疑問も出てくる。第53条には、地域的な取り決めによる強制行動について、安保理の許可を要する原則の例外がある。
第107条は、第二次大戦の結果、連合国側が日本やドイツなどに対して取った措置を、国連憲章によって無効にしないと定める。どちらも中国が、今の日本を攻撃してよいと書いた条文ではない。
日本政府は一貫して、いかなる国も旧敵国条項を援用する余地はないという立場をとっており、2024年の政府答弁書でもそう明示している。条文が残っていることと、それを実際に使えることは別の話だ。
決意文書が中国を含む加盟国の合意で採択された
2005年の国連首脳会合では、国連憲章に残る「敵国」への言及を削除する決意を盛り込んだ文書が、中国を含む加盟国の合意で採択された。それでも条文が消えないのは、決意の表明だけでは憲章を書き換えられないからだ。改正には国連総会で3分の2の賛成を得た上、加盟国の3分の2が国内で批准しなければならない。中国を含む常任理事国5カ国すべての批准が必要だ。
そのハードルの高さから、日本政府は安保理改革と合わせて進める考えを示してきたが、21年前の合意は今なお、条文の削除へとつながってはいない。
かつて「時代遅れ」とする決議に賛成し、削除する決意にも加わった中国が、今は条項の意義を強調する。高市首相の演説に続く中国側の反発で、条文が残る問題と、中国の過去の判断と現在の主張との食い違いが改めて浮き彫りになったのである。
(ケン高田)
アサ芸チョイス
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