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記事全文を読む→「街にベンチがない」「あっても長く座れない」問題で不満が爆発する行政の「排除の論理」
新宿、渋谷、池袋……休日に少し足を休めようとベンチを探し、「座れる場所がない」と驚いた経験はないだろうか。東京では今、「座るだけ」のことが、ちょっとした贅沢になっている。
都内で働く40代のサラリーマンはこうこぼす。
「昼休みに外へ出ても、座る場所がないんです。ランチ店はインバウンド客で満席。テイクアウトしても食べる場所がない。結局、コンビニのイートインか、コーヒーを片手に立って休むしかありません」
だが東京で起きているのは、単純な「ベンチ不足」だけではない。たとえ座る場所が見つかっても、そこに「長くいる」ことそのものが警戒されるからだ。
象徴的なのが昨年6月の、港区の公園でのケースだ。園内で私的な記念撮影をしていた利用者が、スタッフから声をかけられたことに抗議する事案があった。これに対し港区は「同一箇所で一定の時間、撮影される場合は、事情を確認させていただくことがある」と回答。もちろん公園の管理上、周囲への迷惑や安全面の確認が必要なケースはあるだろう。
しかし「同じ場所に一定時間いる」「しばらく座っている」というだけで、利用者が管理側の確認対象になってしまうのはいかがなものか。
子供との遊びも例外ではない。同じ港区の児童遊園では、週末に父親が子供とキャッチボールをしていたところ、警備員を名乗る高齢者から注意を受け、子供が怖がったという声が寄せられた。区側は過去にボールが車両やマンションの壁面ガラスにぶつかったことがあるとして、看板を設置した経緯を説明している。
安全上の理由は理解できるが、結果として「ちょっとベンチで休むだけ」の人や「普通に遊んでいるだけ」の親子まで、周囲を気にしながら公園を使わなければならない状況に追い込んでいる。
わざと座り続けにくくした形状のベンチ
冒頭で触れた、街中のベンチ不足に戻ろう。30代の主婦はこう話すのだ。
「子供を少し休ませたくても、座る場所が本当にないんです。カフェも満席で行列。ぐずる子供を抱っこしたまま、次の場所を探して歩くしかありません」
ようやくベンチを見つけて腰を下ろしても、今度は「長居して大丈夫だろうか」と気を使って落ち着かないのだと……。
ベンチが減った理由としてよく挙げられるのが、ホームレス対策だ。横になれないよう仕切りを設けたベンチや、そもそも長時間、座り続けにくくした形状のものは珍しくない。新宿区などでは、こうした公共空間の管理は行政上の課題となっている。
特定の人を排除するための設計やルールが、いつの間にか「誰であっても長く留まらせない」という方向へ広がっているのだ。
アサ芸チョイス
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