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記事全文を読む→【大相撲秋場所】大の里が「涙の1年ぶり優勝」に辿り着いた二所ノ関親方の完全アシスト「左肩保存療法」と中抜け巡業「集中治療」
大相撲秋場所で横綱・大の里が1年ぶりとなる6度目の優勝を決めた。
「この景色だけを見たくて、なんとか頑張ってきた」
表彰式での「君が代」斉唱では人目も憚らず、大粒の涙をこぼした。過去5戦して1度しか負けのない大関・安青錦との千秋楽相星決戦に完勝。それでも本場所での「横綱の号泣」を見せた大の里の方が、明らかに追い込まれていた。
この優勝で完全復活の声も聞こえてくるが、まだまだそんな状況ではない。デビューからわずか13場所で横綱まで上り詰めた相撲人生は、それまで挫折知らず。素質で快進撃を続けた温室育ちだった。
昇進後は「一強時代」到来とまでいわれた大の里が一気に急降下したのは、昨年の九州場所での左肩負傷が原因だ。入門後、初の休場。今年の春場所では「左肩関節脱臼」で途中休場、夏場所は「左肩腱板損傷」で初の全休となった。
「大の里は強力な左おっつけで、横綱まで上り詰めた。これで相撲がバラバラになった」(相撲協会OB)
12勝とはいえ、この優勝まで辿り着いたのは、師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)のアシストが大きい。
「左肩は脱臼癖を起こしていて手術の可能性がありましたが、治療と稽古を並行していく保存療法を選択しました」(相撲担当記者)
これにより、稽古不足が拍車をかけた。夏場所は皆勤したものの、9勝6敗という無惨な結果に、八角理事長(元横綱・北勝海)からは厳しい声が飛んだ。
「横綱という意識を捨てて、一からやり直す。毎日、泥だらけになる覚悟がなければ復活はできない」
夏巡業では途中5日間ほど「中抜け」までして、左肩の集中治療を優先した。
「関取衆との稽古なし」本来なら休場する力士のスタンスだった
大の里に完敗した安青錦も、実は満身創痍だった。長引く左足の負傷は左足首内側と親指の付け根など計3カ所も骨折した重傷で、痛みが引かない日々が続いていた。
「場所前は関取衆との稽古を全くしませんでした。本来なら休場する力士がとるスタンスです」(前出・相撲担当記者)
そんな状態で今場所に臨んだが、4日目から自己最多タイとなる3連敗で、途中休場の可能性が浮上。これをうまくアシストしたのが、こちらも師匠の安治川親方(元関脇・安美錦)だった。
現役時代は右膝十字靭帯と半月板を損傷したものの、手術を拒否して保存療法を選択。37歳の時に左足アキレス腱を断裂している経験から、
「(安青錦に対しては)とにかく無事に帰ってくればいい」
とゲキを飛ばす15日間だった。
年90日の本場所に加え、来年は再び海外巡業(タイ・バンコク)が計画されている。じっくりしっかりケガを治す時間がない力士たちの酷使は、今後も続いていく。
(小田龍司)
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