社会
Posted on 2026年11月05日 07:15

【議論紛糾】アメリカが開発する「軍事用クローン犬」は「センサー付き防弾ベスト」「AI搭載ゴーグル」をつけた能力強化型生命

2026年11月05日 07:15

 アメリカから衝撃的なニュースが飛び込んできた。最新の遺伝子編集技術を使い、ドードーやマンモスなど絶滅した動物を現代に蘇らせる「脱絶滅」事業を展開する米バイオテクノロジー企業「コロッサル・バイオサイエンシズ」が、防衛大手のアンドゥリル社とタッグを組んだ。

 これで発表されたのは、遺伝子編集とクローン技術を融合させた「超軍用犬」の開発だ。約315億円をかけて設立された新会社「ウォーハウンド」では、遺伝子操作によりクローン犬の能力を強化、それを軍事的に利用したいとしている。

 軍用犬というのは、爆発物の探知や特殊捜索などの任務能力が高い犬のことで、米軍で使用される80%以上がヨーロッパからの輸入だ。国際軍事アナリストが解説する。
「韓国などですでに、軍用・警察用のクローン犬の運用が始まっていますが、これは優秀な犬と同じ遺伝子を持つ個体を複製したもの。それに対し今回の開発は、病気の遺伝子を取り除き、嗅覚や運動能力を高める遺伝子を追加したデザイナー・ドッグ(能力強化型生命)を製造して、軍事目的で実用化しようというわけです」

 2027年初頭にも最初のクローン犬を誕生させ、これにセンサー付き防弾ベストやAI搭載ゴーグルといった最先端ハードウェアを組み合わせ、サイボーグ犬の実用化を目指す。
 とはいえ、犬の能力そのものを改変するという前代未聞の試みに、神経系及び身体的障害のリスクや、動物福祉などの観点から、問題が山積していることは事実。なにより、これが完成することで、アメリカ主導による動物兵器の軍拡競争が激化する懸念が出ている。

引退後はPTSDや不測の事故を起こさず人間と共生できるか

 そしてとりわけ動物愛護の観点から議論が紛糾しているのが、犬たちの引退後のセカンドライフについてだ。
「ウォーハウンド社では退役後の超軍用犬を、動物愛護団体を通じて一般家庭へ引き渡すよう計画していますが、人工的に能力を高められ、過酷な軍事訓練や実戦を経験した犬が、はたしてPTSDや不測の事故を起こさずに人間と共生できるかどうか。コロッサル社はそもそも、絶滅動物の復活という環境保護や科学の夢を掲げて巨額の投資を集めてきたバイオ企業ですからね。それが突如、防衛大手の創業者と手を組み、手堅く儲かる防衛ビジネスに舵を切ったことに対しても、疑問視する意見が多い」(前出・国際軍事アナリスト)

「絶滅種の復活」というロマンあふれる看板で知名度を上げてきたバイオベンチャーが挑む「超軍用犬」開発。その先にあるのは科学の進歩なのか、はたまた軍事複合体という新たな錬金術なのか。

(ジョン・ドゥ)

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